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□僕の心を置き去りに
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もう泣き出しそうだよ

俺は人間だから、願っても敵わないのかな

彼女より先に出会っていたら君は俺を好きになってくれた?

《人間を愛してるんだもちろん君もね》
新羅、気づいてたんだろ?俺の気持ちなんか
中学で出会ってから、お前しか見てないんだ

それでもお前はいつだってはぐらかして笑うんだ。


新羅が俺を友人と呼ぶ度に彼の特別であることに対する喜びとそれ以上にはなれない絶望が俺をおそった。
学生時代は当たり前のように一緒にいれて幸せだったよ。お前は彼女の話しかしないけれど。
それでも毎日が輝いてた。
理由もなくお前の笑顔が見れて、声が聞けた。


卒業してお互いろくでもない金を稼いで、時々会いに行くんだ。
会いたくなる度に池袋に行った。静ちゃんの暴力なんかお前の苦笑にはかえられないから。
目の前で首の無い彼女といちゃつかれ、惚気を聞かされて。彼女のいれた珈琲を飲んで俺は苦笑したりしてさ。

すごく苦しかった。お前もきっと気づいてた。

お前、一回だけ言っただろ。もう覚えてもいないかも知れないけれど、俺は忘れない。
《臨也は憎めないんだよね、俺は好きだよ》
俺は、永遠を祈った。


憎めないのはこっちだよ。
運び屋に仕事を押し付けてお前の部屋に押しかけても玄関で止められて。

あのさ、ここだけの話だけど。
お前、実は俺のこと好きだっただろ。ほんのちょっぴり。

だからこそ、俺を突き放す。


俺を呼ぶ声を思い出して、瞳を開けたらそこにあるのは絶望で。

なあ、首を切断したら俺を愛してくれますか。

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