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□〇〇は風邪引かない
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「アル、」

アーサーの声で我に返った。

「お前なに泣いてんだよ」
「え?」

頬に手をやると濡れた感触。
何で俺は泣いてるんだ?

「おかしいよな、ナントカは風邪引かないんだぜ」
「それバカって言いたいだけ…っ」

嫌味ったらしい言葉をぶつけるアーサーに反論しようとしたら、突然抱きつかれた。

「泣いてんじゃねぇよバカ」
「アーサー…」
「しんどかったら呼べよ。いつでも来てやるから」

不器用だな君は。
自分の気持ちを上手く伝えられない。
今だって、顔真っ赤になってるの見られたくないから抱きついたんだろ?

「心配してくれてありがとう」
「だから、心配してんじゃ…っ!」

ちゅ、と頬に軽くキスをすると固まった。
次第に震えだす体。

「それ…反則…」

伏し目がちにそんな可愛いこと言われて黙ってられるほど俺も大人じゃない。

「風邪…伝染ったらごめんね?」
「は?え、ちょ、何して」
「アーサーが悪い」
「意味わかんねぇよ!てかお前ガッツリ元気じゃねぇか!!」
「汗かけばもっと早く治るんだぞ!」
「バカか!ってかバカだお前は!あの、ホント帰る!帰るー!!」




──案の定。
風邪はアーサーに伝染った。
経口感染…かな?
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