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□*名前を呼んで
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「ばっ、何考えてんだこんな所で!」
「ごめんアーサー、でも君が悪いんだぞ?」
アルフレッド宅。
今日は引っ越し先の家で荷物運びをアーサーに手伝ってもらおうと自宅に呼んでいた。
事件が起きたのはほんの10分前。
「お?」
「どうしたんだいアーサー」
「いや、この木箱の中身が気になったんだ」
「(それは……!)」
『これ本当にもらっていいの?ありがとう!!』
木箱の中には
アルフレッドがまだ幼い頃にアーサーからもらった木彫りの兵隊や、その当時の思い出が沢山詰まっていた。
「なぁ、これ開けてみないか?」
「え、あ、あー…また後でいいんじゃないかい?」
「んだよケチ!じゃあ俺1人で見てやる」
「駄目だって!!」
逃げようとしたアーサーの腕を掴み引き寄せ、そのまま押し倒した。
世界がぐるりと反転する。