二人 の 絆


□第04話「The island」
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小島に行く途中、
砂浜を歩いてたら靴が砂に填まって知里の脱げてしまった。
彼女はその靴を、
煩わしそうに引っ張り出し、
砂を払い落とす。


『もっとフィット感のある靴にすれば良かった。
全身タイツ的な』

ソラ「靴じゃないじゃん」

『え、何?
タイツ履きたいって?』

ソラ「一言も発して無い」

『まぁ…そんな趣味があっても良いと思うよ。
…うん……世の中広いし…ねっ』

ソラ「やだよ、何でちょっと引き気味なんだ!
知里が履いてみろよ!」

『冷たいなぁ』


喧嘩なのかコントなのか、
二人は騒ぎながらサラサラの砂浜を歩いていく。

しばらく歩いていると、小さな船着場があった。
そこの一つの小舟にソラ率先してが乗り込んでいく。


ソラ「知里、乗って。」

『何?肩?肩車?』

ソラ「船に!だよ、バカ!
さっさとしろよな手間かかる」

『分かってるよ、そんな怒りなさんなって。
よっこいしょっと!』


彼女は躊躇いもなく、
一気に飛び乗った。

それがあだとなる。


ガタンッ


『うわぁッ!』


そんな乗り方するもんだから、
反動で船が大きくグラッと揺れ、
知里は振り落とされそうになった。


『おぉ――っとォッ!』

ソラ「あっぶなっ!」


ガシッ


彼女の危険を感じ取ったソラは、
彼女の柔らかい両肩を抱き抱えた為に、
必然的に2人は見詰め合った状態になってしまった。


『(……視点何処に合わせたら良いんだろ)』


二人は無言で揺れが止むまで静止していた。

徐々に揺れは無くなり、
波紋さえ残るものの船はピタリと止まった。


『…止まったね』

ソラ「あ、うん」

『さ、さてさっさと行くぞ!!』

ソラ「う、うん」


知里は焦ってる事を悟られまいとし、
意味なくテンションを急上昇させ、手を退けさせる様仕向けた。
それが上手くいったらしく、
ソッと彼の両手が離れていく。


『(何焦ってんの…こんなガキンチョに!
焦る事なんか何も無いだろ)』


そんな戸惑う彼女をよそに、
既に気持ちを切り替えた彼は何事もなかったかの様に、
オールを漕ぎ出した。






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