二人 の 絆


□第07話「Make a raft」
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カチャリッ


―――知里が完璧に皆と慣れてきた頃、
ディスティニィーアイランドに来て、
既に一ヵ月とちょっとが過ぎていた。


『ふぅ…』


ある朝、目覚まし時計に起こされる。
身体を引きずりスイッチ切るが、まだまだ眠そうな彼女は、
もう少しという感じで寝返りをうつ。


『……ん?何こ…はぁ…?ソラ…?』


そんな矢先に異物を感じ見ると、
隣には何と、ソラが安らかな寝息を立てて寝ていた。
しかもしっかり布団に入っている始末。


『何してんだよコイツ…。
何自分の布団に勝手に入ってんの?』


面倒臭そうに、
隣に住み着く少年を食い入るように見つめる。


『(綺麗な顔だな、まつ毛長いし…。
綺麗な二重…肌も綺麗だし羨ましいぞコラ!
犯すコラ!!)』


彼女は、彼の端正な顔を、
マジマジと改めて観察する。


『(…っつか、何でコイツは此処にいるんだよ…)』


不思議に思うが、
気持ち良く寝ているソラを起こすのは、
何となく申し訳なく思う。


『…まぁ寝かせとくか』


そのまま、彼女も二度寝を開始した。





数分後。


ソラ「んっ……あぁ〜もう朝かぁ…」


今度は、ソラが起床し、
ググッと寝転んだまま背伸びしている。


ソラ「……ん?あれ?知里?」


ソラも気付いた様で、
当然の事ながら、彼女が隣で一緒に寝ている。

しかし、まだ此処が知里の部屋だとは気付いていないらしい。


ソラ「何で知里が此処に。
……それにしても、寝顔可愛いな」


普段の性格や無意味な行動からは分からない、
彼女の可愛らしい寝顔に少しトキめいてしまう。


ソラ「(少しだけなら…)」


ちゅ


ソラ「(へへへへ…ごちそーさま)」


頬に軽く朝キス。
寝起きからなのか頭が正気ではない為、
普段なら絶対しない行為だった。


ソラ「さて、二度寝二度寝…」


そして、何事もなかった様にソラも睡眠に入った。






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