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『何だい?りっくん』
リク「止めろ、その呼び名。
さっきから何ニヤついてんだよ」
『あっ…』
リクの小舟の上、
小島へ向かう最中の事。
無意識のうちにニヤツく彼女がいた。
『別にニヤ付いてなんかないよ〜』
リク「ニヤ付いてるって…
さっきから気持ち悪いから止めろ」
そりゃニヤ付くだろ普通、
と内心呟く彼女。
想い人と一緒にいて、
嬉しくない人はまずいない。
『(リク格好良いな…。
筋肉質だで脂肪殆どないし…
髭もまだだし…
顔もほっそりして綺麗だし…それに……)』
リク「…何?」
『髪、白いよね』
リク「はぁ?」
『いや、何も…』
ついつい彼の容姿の良さに見惚れてしまい、
思ったままの事を口にしてしまう。
リク「相変わらず訳分かんねぇな」
『それだけが取り柄さ』
リク「ぶっ…そうだな」
『煩い!バカ!』
リク「(…逆ギレ?)」
知里らしいな、と笑うリクを余所に、
彼女の気持ちは彼でいっぱいになっていった。