二人 の 絆


□第15話「DEEP JUNGLE」
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グミシップの小窓から外を見ていた知里は、
コックピットに戻ると自分の席に座る。

樹林で覆われた世界がそこにあった。


グー「ねぇ、王様此処にいるかなぁ?」

ドナ「こんな、何もなさそうな所に、
王様がどんな用があるって言うんだ?
降りるだけ無駄さ」

ソラ「ちょっと待った!
リクとカイリはいるかも!!
此処に降ろしてくれよ、ドナルド」


すかさずソラは、声を上げる。
意見のくい違う二人。


『(こんな所にはいないだろうな…)』

ソラ「知里も降りたいよな!な!」

『(リク達に会いたいけど…王様ってのもどんなのだろ)
……自分はどっちでも』


勝手にしてくれ、と言わんばかりな、
曖昧な答えを出す。

しかし、


ソラ「ほら!知里も行きたいって言ってるぞ!」

『(言ってねぇよ!)』


勝手にソラは解釈する。
しかし、ドナルドも引けを取らない。


ドナ「ダメダメ、まずは王様を見つけなくちゃ」

ソラ「俺は降りる!」


二人の激しい口論が続く。


ドナ「僕は降りない!」

ソラ「降りる!」

『ちょっとちょっと……』


慌てて知里が仲裁に入ろうとするも、
二人は見向きもせず睨みあっている。


ドナ「降りない!」

ソラ「降りるったら降りる!」

『ちょ、煩いから喧嘩止め――』
ドナ「コラ、勝手に触るんじゃない!
や、やめろー!!」


すると、だ。
激しくなってきた喧嘩を注意する彼女の言葉を、
ドナルドの甲高い声が遮る。

ソラはグミシップを横取りし、
強引に操縦しようとしていたのだ。


『ちょっ…止めろってお前ら!
………っうあぁ!』


二人がもみ合っているうちにコントロールを失い、
グミシップはディープジャングルへ落ちていった……。






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