不変な気持ち
□第05話「4F HALL」
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『あッ、ゴメン。粗大ゴミ気分で投げた』
全く悪気が感じられない。
他の一行は、四階の扉の前ホールに遅れて来た二人を待っていた。
座って持参したお茶で休憩していたので、
ソラを投げ捨て知里も座る。
グー「知里って力持ちだよねェ♪尊敬しちゃうよォ」
のん気の塊の様なグーフィーが、知里を誉め讃える。
『世界の筋肉と呼んでくれ』
知里も調子に乗って意味の分からない事を言う。
ソラ「オイ!もっと心配しろよ!」
『よしよし、痛かったろ。
まぁたっぷりお茶でもお飲みなさいよ』
ソラ「何でそんな扱い!?」
『あぁ〜和むなぁ』
ソラの激怒をものともせず、
美味しそうにお茶をすする。
ソラ「……」
ジミ「とりあえず……だ。
今までの事を少し整理しよう」
不機嫌なソラをよそに、
落ち着いた口調でそう言いながら、ジミニーメモを開いた。
とある、真っ白な一室。
そこには広い机に向かう少女が。
熱心に絵を描く髪の黄色く、
白いワンピースを着た少女と、
それを見張っているのか、黒コートの男が。
頭にはフードを被っていて、顔はよく分からない。
二人は無言のまま、時は刻々と過ぎていく。
アク「よう」
すると、スッと闇の回路からアクセルが姿を現した。
アク「ちゃんと見張ってるか?」
男「…ああ」
アク「素っ気ないヤツ、親友にそんな態度はないだろ」
男「…お前…俺を見張ってるのか?」
アクセルの発言を無視し、
男は何か不満そうに尋ねた。
アク「俺は気にしちゃいねぇ、が……アイツらが、な。
記憶したか?」
男「……」
アク「まぁ、仕方ねぇだろ。
“邪気を祓う光の矢”、アイツの化身だからなぁ。
それに――いつ裏切られちまうか分かんねぇだろ?
そんなもんだ」
男「……アイツは…関係ない…」
ふふん、と鼻で笑ってみせるアクセル。
アク「ほう…だと良いけどな。
まぁ、せいぜい仕事だけはちゃんとしろよ」
じゃあなと言い、再びアクセルは闇の回路を使い消えていった。
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