夢
□PATTY NIGHT.
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PATTY NIGHT.
「勲、ナニ考えてんの?」
中庭を見つめて何かに耽る勲にのしかかる攻撃。
予想通りあたふたした勲。
「うぉゎっ!ちょっとやめなさい!オジさんに女の子が乗っちゃいけません!」
どっかの保育園の先生みたいな口調に笑みがこぼれる。
「いいじゃん、別に。」
のしかかったまま胴に腕を回した。
後ろから見える勲の耳が赤くなってる。
「んで、ナニ考えてたの?ヒトゲノムの事について?」
絶対違うようなことを言って答えを誘った。
「またこの子は・・・ヒトゲノムって遺伝子の事でしょ?」
「うん。人の遺伝子ー。覚醒遺伝について考えてたの?舌をストローみたいにできるのは隔世遺伝なんだよなー、とか。」
「何でこんなところで覚醒遺伝について考えるの!?舌をストローみたいにできるのは覚醒遺伝なんだよなー、って考えてる人そうそう居ないよ?!」
アレ、なんか話逸れてる。
「遺伝の事はいいから、ホントはナニ考えてたの?」
なんとなく後頭部に頭突きして訊ねる。
「いやぁ・・・『音鳴らせパーリナイ』の『パーリナイ』ってなんだろなって・・・」
そんなこと考えてたの・・・?
やっぱり馬鹿みたい。
あ、うましかじゃなくてゴリラか。
「ふぅ、そんなこと考えてたの?」
わかってる。
どんなに小さなことでも深く考えすぎちゃうんだよね。
「だって・・・パーリナイって言われたって・・・なぁ。」
同意求められても困るよ・・・
「あれはね、パーティーナイトって言ってんの。ネイティブな発音の人はちゃんとパーティナイっていうけど、日本人だとパーリナイって聞こえんだよー。わかった?ゴリちゃん」
これはゴリラの調教?
とにかく勲はそうだったのか!って言うように目を輝かせた。
「すごいなお前!・・・パーティーナイトか・・・」
嬉しそうにつぶやいてる姿は、見たことない虫を捕まえた子供みたいだった。
よかった、役に立ったみたいね。
―深く考えすぎちゃう貴方に、意味ありげな一言を。
「好きだよ。」
わからなかったらなんでも聞いて。
求愛だよ
って答えてあげるから