Present Novel

□シアワセ
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「…ん?」

肩に感じる体温とわずかな重み。
隣を見れば、瞼を閉じた千歳が肩に寄りかかっていた。

「…千歳?」

呼んでみても反応はない。
頭を撫でてみると、気持ち良さそうに身をよじる。
その様子が可愛くて、観ていた映画を消して白石は千歳にそっと触れる。

今日、突然千歳が何か観たいと言い出してDVDを借りて来た。
けど結局半分も見ずに眠ってしまったらしい。

最近忙しかったと言ってたから疲れに負けてしまったのだろう。
それを示すかのように千歳の目の下にはクマができている。

そろそろ頭を撫でてるだけでは物足りなくなってきたので、起こさないように注意して抱きしめる。

「…千歳、もうちょい頼って良えんやで」

そう呟きながら額にキスをする。


千歳に触れながら白石は想う。


この男らしく浅黒い肌も、縮れ気味の黒髪も、愛してると囁く声も、もちろん中身も、千歳千里をつくる全て。



全部が愛しい。



最後に千歳の唇に自分のそれを重ねて微笑んだ。

「…愛してる、千里…おやすみ」


たっぷりと愛しさを込めて、囁いた。

夢の中でも千歳が幸せに笑っていますように。





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