永い航海

□†your world† 第1話
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アタシは時々起こるこの現象“夢の回路”(アタシ命名)に久しぶりに困っていた。


なんせ気持ちよく眠ったのに意識が浮上したと思ったらいきなりジャングルの様な森の中にいたのだから、対処に困る。


せめてもの救いは、普段からアタシが寝間着に着替えずにその日着ていた服で寝ると言う癖によって騎士団服であった事とポケットに煙草が入っていた事だ。


「とりあえず…一服するか」


言うが早いか、速攻ポケットから煙草とライターを出し煙草を吸い始めた。


「フゥー…どうしたもんかね?」


誰に言うでもなく口からこぼれた言葉は今の本音だ。




ココがドコの世界なのか。




今回の夢の回路はどの位の期間続くのか。



とりあえずの問題はこの2つ。




バキッと、枝を踏みつけた音が目の前の森(どこ向いても森だけど)から聞こえて、ぼんやりとそこを見ると「グルルルル」とのどを鳴らしながら現れたのは馬鹿でかい虎で、ソイツの目にはアタシが恐らく餌として映っている。


「あー…ヒントにもならねぇって」


そうぼやきながら、腰掛けていた木の根から立ち上がると、虎はすぐ目の前に迫っていたが…臆すことなく目を見て「失せろ」と告げれば案の定、虎はその馬鹿でかい体をビクッとさせて森の中に逃げていき、それを確認し終えるとさっきから注がれている視線の先を見やる。



そこには小さな人影が、岩に隠れるようにしてコチラをうかがっていた。


その人影はかなり小さなシルエットだが見覚えがあった。


と言うよりも忘れる訳がない人物のシルエットだ。


自分でもわかる位、アタシは相手に向けて優しい雰囲気を向けているのだと理解して苦笑してしまう。




「おりといでよ、エース」




この言葉に岩の後ろに隠れていたシルエットが驚きのあまり崖から落ちてきたのは言うまでもない…――




2011/4/21

story's end…?




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