〜太陽の輝き〜前世編

□第1話 
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―――太陽の王国。


惑星を照らす存在である輝くこの星は、全銀河の中心的存在である。


この星を治めているのはキングとクイーン。


そしてその娘は―――・・・


「こらサニン!!」


サニン、と呼ばれたその少女。


オレンジがかった茶色の瞳とその長い髪を風に遊ばせていた彼女は声がした後ろを振り返る。


『あら、リゲル。』


そこには輝くような金色の短い髪に、クール、もしくは冷たいとも捉えられる印象のグレーの瞳。


リゲルと呼ばれたその少女は腰に手を当て、どうやら怒っている様子だ。


「あんたなにやってんのよ!今すぐ降りてきなさい!」


降りてこい、というのはサニンが木の上にいるからである。


『あはは!平気よ!パンツくらい見えても減るもんじゃないわ!』


「パンツじゃないわ!仮にもプリンセスなのに木登りなんかするんじゃないの!落ちたらどうするの!?」


どうやらリゲルが怒っているのはこの星のプリンセスであるサニンがプリンセスらしからぬ行動、木登りをしていたためであるようだ。


リゲルはプリンセス・サニンの側近の守護戦士。


セーラー戦士である。


オリオン座を守護に持つ彼女は、濃い青のセーラー服を身に纏っている。


『だぁいじょうぶよ!まだ一回しか落ちたことないわ!』


「あんのかよ。」 


一回しか落ちたことない、というサニンに秒速で突っ込むリゲルはどうやら突っ込み役である。


えへへ、と笑うサニンを見てはぁ、と溜息を吐く。


どうやらこれが毎回お約束のようだ。


「全く!どうしてあんたは私が見つけるといつも木に登っているかなぁ!!」


『あら、あたしは木だけじゃないわ。色々登るじゃない。』


「余計ひどいわっ!」


「まあまあ、その辺にしといてあげましょうよリゲル。」


コントを繰り広げる二人にそこへ声がかかる。 


振り向くと先には、藍色の瞳に緑の髪を靡かせる少女。


『ベガ!』


ベガ、と呼ばれた少女はリゲルと同じようにセーラー服を身に纏っているところを窺うと、こちらもサニンの側近のセーラー戦士のようだ。


ベガはこと座を守護に持っている。


真っ白い戦闘衣にふわふわする笑みを浮かべる彼女にサニンも微笑む。


「ベガ!あのねぇ、この子ったらまた木に登ってんのよ!私が何回注意してもい〜っつも高いとこに登るんだから!」


「まぁ、サニンが高いところに登るのは今に始まった事ではないじゃないですか。」


ぷんすかと怒るリゲルを宥めるベガは、それより、と言葉を切った。


「サニン。キングとクイーンがお呼びですよ。」


『え、パパとママが?』


サニンの質問にこくりと頷いたベガは、なんでも大事な話があるとかで、と言う。
 

『大事な話?取り合えず、行ってみましょう!』






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