〜太陽の輝き〜前世編
□第3話
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翌日、サニンの仲良くなろう大作戦キラッ☆(←長い)が始まった。
そして今サニンはこの宮殿内の廊下をパタパタと走っている。しかし迷子気味のようだ。
しばらくサニンが走っていると、前方に漆黒の髪をなびかせて歩く人物が見えた。
それが目的の人物、ファイターだと認識するとサニンはそこから獲物を見つけたチーターの如く猛ダッシュしだす。
『ファイタァァァァァ!!!』
そしてサニンの獲物であるファイターは一瞬びくりと肩を揺らすとこちらを振り向いた。
「・・・・・・何か用かしら?」
『うん!あいさつしに来たの!おはようファイター!!』
「・・・・・・・・」
あいさつするもファイターは返事をしない。
それに対し聞こえなかったのかと思ったサニンは小首を傾げると、またひとつ挨拶をする。
『おはようファイターー!!!』
先ほどよりも大きい声を出せばファイターは呆れたように溜息をつき、自分より背の低いサニンを見構えた。
「いきなりなんなの?」
『なんなのって・・・だからあいさつよ!朝のあいさつ!あいさつは会ったらみんなにするものだわ!』
「あたしは認めてもいないあなたにあいさつする気はないわ。」
その言葉を聞いて少しショックを受けるも、瞬時に笑顔を作る。
『認めていなくても、さっきも言ったとおりあいさつはみんなにするもの。そうすれば気分が良くなる。朝から爽やかに一日をスタートできるわ!』
「・・・はぁ・・・付き合ってらんないわ。」
目を細めて息を逃したファイターがその場を去ろうとするも、それは叶わなかった。
なぜならサニンがファイターの腕に抱っこちゃんをしたからである。
「っちょっ!何すんのよ!?」
『あいさつ!まだ返してもらってない!』
きっとこの瞬間からサニンの野性的闘争心のようなものが一気に燃え出したのであろう。
負けんとばかりにサニンは必死に腕にしがみ付く。
「だからあいさつする気はないって言ってんでしょ!離れなさいよ!」
『いやよ!あいさつ返してくれるまで離れないわ!だってこのままじゃあたしが夜のままになってしまう!←』
「はぁ!?意味わかんないわよ!早く離して!」
『い・や!』
「は・な・し・て!」
サニンの意味不明な言葉にファイターの怒声。
そしてサニンを振り払うかのようにぶんぶと腕を振り回すファイター。
しかしそれでも奴は挫けないのだ。
この言い合いが数分続き、いい加減怒るとファイターが言うものの、もう怒ってるとサニンに言われ黙り込んだ。
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