永久なる時の巡魂録

□信頼と裏切り
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千里「平ちゃん?」
雷鳴と共に現れたのは千里の兄の平二だった。

土方「どうなってんだ?こりゃ」

新選組は全員固まっていた。それもそのはず、なぜなら平二は新選組幹部の一人、藤堂平助とそっくりなのだから。
お互いの顔を見合わせポカンとしていると、突然平二が千里の前まで移動し、土方たちから庇うように立ちはだかった。

平二「お前らなにが目的だ?なんで千里が一緒にいる?事と次第によっては・・・」

そういうと静かに刀に手をかけ今にも鞘から抜きそうだ。どうやら完全に敵だと思い込んでいるらしい。

千里「ま・・待って!平ちゃん!!この人たちは敵じゃないから!!!」

平二「は?何言って・・・」

千里「ここはあの“新選組”の屯所だよ!だから・・・」

攻撃しないで・・・この人たちは敵じゃないよ・・・
千里は平二の体にしがみついて引き留めようとした。

土方「そいつの言ってることに偽りはねえ。ここは新選組屯所だ。だから大人しく刀を納めろ。そうすりゃ俺たちも手は出さねえ」

平二は一瞬躊躇したが、自分にしがみついて離れようとしない千里を見て大人しく刀を納めた。
それに続き幹部たちも刀を納めた。

近藤「ま、まあ、とりあえず中に入ってくれ。そこで話を聞こう(汗)」
そして再び部屋へと戻った。
平二は近藤・土方・山南の正面に座り、じっと三人を見据えていた。千里は平二のすぐ隣に座った。

近藤「あ〜で、風間君。紹介してもらえないか?彼は・・・」

千里「はい!彼は私の・・・」

平二「ちょっと待て。まずは千里。お前がなんでここにいるのかを説明しろ。話はそれからだ。」

千里「う・・うん。えっとね・・・」
私はこれまでの経緯を簡単に話した。みんなのあとを追っかけたことは黙っていたが・・・
だって正直に言ったら雷が落ちるよ・・絶対・・

千里「というわけ。だからこの人たちは敵じゃないの。むしろ恩人なんだから!刀なんて向けないでよ(汗)」
平二は私の話を黙って聞いていた。不安げに顔を見つめていると、突然平二は土下座した。

平二「すまなかった!!俺はてっきり悪いやつらに捕まったのかと・・俺の早とちりとはいえ妹の恩人に刀を向けるなんて・・・本当に申し訳ない!!この通りだ!!!m(><)m」

畳に穴が開くんじゃないか?という勢いで平二は頭を下げてそのまま動こうとしない。

近藤「いや気にしないでくれ。いきなり見知らぬ土地に来て大切な妹子が見ず知らずの人間と共にいれば驚くのも無理はないさww」

平二「だが・・」

山南「頭を上げてください。我々に敵意がないということをわかっていただければそれでいいのですから。」

山南さんがそう言った後に平二はゆっくりと頭を上げた。
そして千里のほうを向いて申し訳なさそうな顔をしたが、なにかを思い出したかのように千里の肩を掴んだ。

平二「そういえばなんでお前がここに来てるんだ?シゴトには連れてかなかったはずだろ?置手紙にも待ってろって書いてたはずなのに!」

マズイ・・・・

千里「いや・・それは・・・あの・・その・・」
しどろもどろになっている私に平二が詰め寄ってきた。

平二「正直に話せよ。話さないとどうなるか・・・わかってるよな?(黒笑)」

ヒイイイイィィィィ〜〜〜(涙)
へ・・平ちゃんの後ろから黒いものがあああ〜
しかも肩の手の力が強まってる。

千里「ごめんなさい!!黙ってついていこうとしちゃいました!いいつけ破りました!!それで途中にヤツらと遭遇してこっちに飛ばされました!!すいませんんんん!!!」

平二「なるほどな。とすると・・・俺たちと一緒ってわけか。ああ〜、これじゃ家に置いてきた意味がねえじゃねえか!」


千里「う・・うん。ん?俺“たち”って平ちゃん一人じゃないの?」

平二「俺たち全員でいたんだぜ?それにお前が吸い込まれたのとほぼ同じ渦に吸い込まれてここに来たんだ。しかもそれは、俺たちがいた辺り一帯ぐらいのでかさだったから皆が来てる可能性はでかいだろうな」
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