小ネタSS

□さよならまで
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誰もが「出会い」を経験して「さよなら」を経験する。
僕の「さよなら」まで
もう少し。




「おめでとうございます、先輩」
「サンキューな」

片思い。
その言葉は僕の心に遺るだけ。
先輩への僕の思いは完全に一方通行を貫いていった。

「先輩。・・・僕、地方に移動するんです」
「えっ?・・・そっか。寂しくなるな」

僕が居ないと寂しい?
先輩の一言に歓喜する僕が居る。

「まぁ、地方って言っても同じ会社に居るんですから」

いつでも会えますよ。
そう、いつでも会える。

「地方行ったら彼女くらい見付けろよ」

僕に恋人?
先輩の言葉が痛い。

「まぁ、気が向いたら」

先輩の一言が心を振り回す。それが絶え間無く僕を幸福にする。
先輩との時間に「さよなら」するまで
もう少し。

「先輩・・・ご結婚おめでとうございます」

End


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