*SECRET+STORY*
□裏の裏の顔
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裏の顔、会長と書記のその後です。
こちらから見ても問題はありませんが、読んでいただける方は前作からどうぞ**
裏の顔
日は暮れかけ下校のチャイムが校内に鳴り響いた
「…あの…会長…」
「なに、斉藤」
私はおずおずと声をかける
会長から優しい返答は返ってくるが、私と目も合わさない
おまけに呼び名まで名字に変わってしまっている
名前で呼んでくれてたのに…
……まだ…怒ってる…
「あ、いえ…書類…置いときます」
怒らせたのは間違いなく自分自身
その事実に私は大きなため息が出た
こんな風になってからもう3日が経つ…
3日前……
いつものように下校のチャイムが鳴ると彼は決まってこう言うのだ
「…時間だよ。…おいで、梓」
「っ、はい…」
この言葉を聞くと私はこれから起こることへのドキドキとこれで最後になるのではないかという不安がない交ぜになったような気持ちでおずおずと彼の側に近付く
椅子に座っている彼は私を見上げているのに顎に触れるその姿は見下ろされているかのような威圧感を感じる
会長はすっと立ち上がると私の顎を上に向けそのまま私は意図も簡単に口を塞がれる
「ん…ッぁ…、んっ…」
啄むようなキス
初めはゆっくり優しく少しずつ…
やがて会長の唇の動きは深いものに変わり会長の舌が口内をするすると這い回る
「んむっ……っあ…ッッふ…かいちょ、っ…ッ」
何度も繰り返されるキスに頭が蕩けていく感覚を覚えながら、それでも未だに深い口づけに慣れない私は合間合間にたどたどしく息継ぎをする
そんな中でも会長とのこの時間が訪れると決まって私の頭の隅では良からぬことを考え始める
「んー?」
私の訴えに会長は名残惜しそうに唇を離す
「なぁに、梓」
聞きながら私の体をひょいと持ち上げ机の上に座らせた
思わず呼んでしまった私に素直に耳を傾けてくれる会長
でも…
考えてることを伝えてしまったらこの関係はどうなってしまうのだろう…
「梓?」
中断したことが不満なのかじれったそうに私の名を呼ぶ会長に恐る恐る答えた
「あの……こ、これは…いつまで続くのですか?」
「……は?」
私の突拍子のない質問に会長の顔が分かりやすく機嫌の悪い顔に変わる
「いや、その…この関係は…か、会長が興味を持っている間のこと…でしょう?」
会長とキスをするようになってもうすぐ1ヶ月が経とうとしている
あの日以来それ以上のことをされることもないし、甘い言葉をもらうこともないのだ
すっかり私への興味が薄れてきているのかと不安になった
初めはそれがショックだった私も…それでも優しく、時に妖艶に…キスを求めてくる会長にこれ以上の関係を求めるつもりはなかった
……それでも、いつ訪れるかわからない終わりに怯えながらキスを受け入れるのは、正直ツラい
だから意を決して彼に聞いたのだったが……
「……それは…俺から解放されたいってこと?」
「え、ちが…っ…」
明らかに部屋の空気が重くなる
「俺とのこの関係が…もう無理ってこと?」
「そ、そうじゃなくて…」
ヤバい…会長怒らせちゃった
会長から返って来た言葉はあまりにも的はずれなことばかりでかえって言葉につまってしまう
「か、会長…?」
座らされているせいで会長から見下ろされる形で睨まれている
と思ったら視界はぐるりと回転し両腕を頭上で捕まれたまま机の上に押さえつけられた
「やっ!…っ…痛っ!…痛いです…!」
捕まれた手首はぎりぎりと締められ痛みが走る
会長の目は鋭くさっきまでの会長の顔と違う …
怖いっ……
「会長っは、話を…っんんッ…!」
会長は私を押さえつけたまま上から覆い被さってきた
そのまま私の唇を噛みつくように塞いだ
「んっ…んんッ……ッか…、ちょ…」
強引に口を割って入ってくる会長の舌は怒りに任せて口内を暴れまわる
「んんッッ……ハァッ……ッッ!!」
「今まで…そんなこと考えながらキスされてたわけ?」
誰でも良いんだ、斎藤は
と言いながら会長の左手が私の胸にかかる
舌はそのまま首筋をなぞるように舐め上げた
「んゃ、そんなことな…やめ…っんんッ」
ぷるぷると首を降る私のことはお構いなしに会長はブラウスのボタンを片手で器用に外していく
一度味わったあの時の感覚はまだ残っていて…恐怖を覚えながらも自分の体はピクピクと反応を示す
でも………
あの時とは違う怒りに任せた荒々しい手、唇、目つき
こんな風にしたかったんじゃないのに…会長が怖い…っ
「会長…やめて…ッッぁ…やぁッ!」
聞く耳持たずとばかりに会長の手はそのまま下着の中に滑り込み直に胸を掴んだ
「やめて…ほんとにやめて欲しいの?斎藤のここ膨れてるけど?」
会長の長い指が乳首をつまみくりくりと刺激を与える度に私の身体はビクビクと震える
身体を捩っても両腕が拘束されており止めることが出来ない
「会長…ゃ、怖…ッッ」
「……俺が怖いの?」
また少し会長の表情が曇る
それでも会長の指の動きは止まらなくて…
「ん〜ッッ……ッッ、…や、やだっ!!」
恐怖に苛まれ捕まれた力が緩んだ瞬間にじたばたと暴れて会長から距離を取った
……気まずい空気が流れる
「斎藤…」