*SECRET+STORY*
□裏の裏の顔
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びくっ…
きっと怒ってる…
「あ、あの…ご、ごめんなさい…」
私は会長からの言葉が怖くてじんじんと痛む手首を握りしめたまま返事を待つ
「…………」
会長は黙ったまま私の手元に視線を落とした
「さ、さっきの言葉はちがくて…あの…っ…」
「……帰ろうか」
「…え…っか、…会長?」
「仕事残ってるけど…ま、続きはまた明日だね」
そう言うなり会長はそのまま帰る支度をはじめる
私の話を聞きたくないほど怒らせちゃったのかな……
何事もなかったかのように平然としている会長とは裏腹に私は戸惑いが隠せない
それでもそのまま連れられるままに学校を出て家に帰り…本当に何もなかったかのように、あの日から3日が流れてしまった
「ちょっと出てくるよ」
「あ、はい…」
すぐ戻るといって生徒会室を出る会長の背中をじっと見つめる
(前みたいに…誰かといたりしないよね……)
良からぬことまで考えて一人で落ち込む自分が嫌になる…
…会長と私はとやかく口出しするような関係になったわけじゃない
でも…せめて誤解を解かないと……このままじゃ本当に全部おしまいになっちゃう…
胸がずきずきと痛い
「梓ちゃん! …?おーい!梓ちゃんっ!!」
「へっ?!…あっ、はいっすみません…」
ぼんやりしていた私はその声で現実へと引き戻された
声の主は安武先輩で…心配そうにこちらを見ていた
「どうしたー?考えごと?」
「あ…いえっ…」
「なんか、顔色悪いよ…平気?」
副会長はそういうとおもむろに席を立ち私の方に近づく
「いえ、別に……ひゃ…っ!」
先輩は手を伸ばすと私のおでこに手を当てた
その手はひんやりと冷たくて思わず肩がびくりと震えた
「あ、ごめん俺手ー冷たいんだ。…んー熱はなさそうだけど」
「ほっほんとに大丈夫です、ごめんなさいぼーっとして…」
先輩の手はすぐに離れていったが席に戻る様子はないようだ
「なに、会長と喧嘩でもしたの?」
「えっ…!」
「いやー最近仲良かったし、会長の雰囲気も優しくなってたから付き合いだしたのかなって勝手に思ってたんだけど…」
違った?ときく先輩に私は首をぷるぷると降った
周りからはそう見えるのかな…副会長の言葉が嬉しい反面
「私と会長は…そんなんじゃ…」
自分で言ってて悲しくなる
「でも…梓ちゃんは好きでしょ、会長のこと」