殺し屋の虹
□第2話 神の代理人(5ページ)
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第2話 神の代理人
オレは魔孫琉 桜海。
今日は学校が午前で終わったから、すぐに家に帰ってこれた。
だが、暇すぎて退屈だ。
「・・・、笑莉、もう帰りついたかなぁ?」
ボソッと独り言を言いつつ、電話から受話器をを取り、笑莉の電話番号を打ち込み電話をした。
プルル、プルル・・・、
5回ぐらいコール音がしてから、もしもし・・・と、だるそうな声が受話器から聞こえた。
「よぉ。笑莉、今暇?」
『うん、暇だよ・・・。桜海の家行くのだるいからうちの家来てくれない?』
「・・・分かったよ。ていうか本当にだるそうだなぁ。」
しかも、よく言いたいこと分かったなぁと思いつつ、2、3回、言葉を交わし電話を切り、すぐに着替えをし、適当にカバンにいろいろ詰め込んで家を出た。
笑莉の家は、オレの家から、大体10分弱自転車で走れば着く距離だ。
自転車にまたがり、カバンからオーディオプレイヤーを取り出し、最近お気に入りのキャラソンを聞きながら自転車を走らせる。
笑莉の家に着いたオレは、自転車をいつもの場所に止め、玄関で呼び鈴を鳴らした。
すぐに笑莉がドアを開け顔だけぴょこっと出した。
「早かったね。めずらしく。入っていいよ。」
「お邪魔しまぁす。」
玄関に上がって右側に居間があり、居間を通って、笑莉の部屋に入る。
笑莉がベッドに座るのに対し、オレは、小さな机のそばに腰を下ろした。
ノートパソコンを机の上において電源を入れるのを見てると、笑莉はチラッとオレを見た。
「この間の『REBORN』見た?」
「・・・?アニメのほう?」
「いや、ジャンプのほう。」
「最近見ないんだよなぁ。でも、いまは『ワンピース』が気になる。」
笑莉に答えながら画面を見てると、しばらくして、XPでおなじみの「ようこそ」がでてきた。
「確かこのページだったような。」
何かを探している笑莉がみている画面を覗き込むと、『家庭教師ヒットマンREBORN!』のイラストとその近くに『ヴァリアー』のイラストがあった。
「おぉ〜、かっこいー!」
「桜海はヴァリアー派だもんねぇ。」
「かっこいいじゃん。」
そう言った後、オレは、また画面に目を向けた。そういえば・・・と、パソコンでさらに検索をかけている笑莉が話し始めたので目だけを向けると笑莉はオレをじっと見たまま話を続けた。
「1ヶ月ぐらい前にあいつらが逃げた場所って・・・知ってる?」
「・・・・・・逃げた場所・・・?ん〜かなり追い詰めてたからだろうけどいきなり・・・・・・消えたよね?あいつら・・・・・・。」
何を話すのかと思えばそんなことをと思っていると、実はさぁ、と笑莉は心底困ったような声を出した。何があったんだとおとなしく耳を傾けていれば、聞くものが聞けばおかしなことを言い出した。
「うちの夢の中に変なやつが出てきたんだよね・・・。」
「変なヤツ?なんじゃそりゃ。」
「うん、変なヤツ。まぁ、いいから続きを聞いてよ。」
そう言う笑莉にはいはいと頷いて続きを促した。
「その変なやつはうちにこう言ったんだよ・・・。」
『お前らが一月前に取り逃したやつがこことは別の世界で暴れている。だからお前ら2人をその世界に送る。』
この台詞を聞いて胡乱気な表情になった笑莉にその変なヤツ曰く自称、神のパシリはふんぞり返りながらまあまあ話を聞けと口を開いた。
『大丈夫だ。妙なところではないし、お前たちの力を最大限に発揮できる場所だ。』
『うちたちの力・・・。・・・・・・何であんたが知ってんの?まさか・・・うちらの能力が目的?わざわざ人様の夢の中まで入ってきて・・・てか、うちの安眠帰せー!!』
笑莉が神のパシリとやらが能力を知っていると聞き、しかも桜海や笑莉の能力をどうするのか考えるのにいらついた笑莉はとうとう切れた。
それと同時に笑莉曰く変なヤツは煙のように消えたのを見てこれで寝れると安心した笑莉は耳元で鳴る目覚ましのせいで目を覚ました。