僕の影、君の影
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『いい加減にしてくれないかな?』
暗闇にいくつかの気配…。
流石に一人で何人かの鬼を相手にするのは厳しいか…。どーしたものか…。
「……」
『出て来ないの?なら、私は行くけど』
「ふっ…鬼の気配をした女をみすみす逃がすわけねぇだろ?」
やっと姿を見せた鬼たち。数は5人。まだ、隠れている気配がある。
「さあ、女の鬼は貴重なんでついてきていただかねぇとだな」
『嫌だ、と言ったら?』
「瀕死にさせてでも連れていく。怪我をさせても、鬼だから治るだろ」
ククッと気味の悪い笑いを発しながら、鬼たちは刀を抜いた。