BASARA魂【短編】銀&BSRA

□他人の畑は良く見える
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腰に巻きついた腕がやけに熱くて血が逆流するかと思うほど動揺しちまう--・・・


今日何度目?



下から見上げる顎のラインが端整な顔立ち過ぎて・・・頸脈が綺麗に浮き出ていて・・・斬り付けたらさぞ綺麗な血が舞散るだろうな

などと歪んだ思想を浮かばせていたら--・・・




「まぁよぉ俺自身も待たせるのも待つのも好きじゃねぇからな・・・連れてくわ」
「はぁ?!な、に訳わかんねぇこと言ってんでさぁ!!っちょっと・・・何処行くつも」
「ああん?訳解るだろぉが・・・待てねぇオメェさんは俺に同行するんだよ・・・んで今から進化過程に了承貰いに行く」



そう言いながらずかずかと歩き出して襖をスパーンっと開け放つ

右手に総悟を抱えながら局長室へと向かう最中、数名の隊士とすれ違うが誰もが「は?!」と目を見開いて固まったままだった




「っちょっ!下して、くれやせんかっ・・・流石に俺にも羞恥ってもんは兼ね備えてるんで」
「ダメだな俺にはこの状況に羞恥ってもんを感じねぇから」
「不感症め・・・」
「ああん?俺はバリバリ感じる派だっ!総悟の身体が良・・」
「ああああああ---マジその先勘弁っ!オフレコああ---!!!!」




頼むからこんな真昼間に屯所内に筒抜けな大声で妙な発言はやめてくれ



っつかぁ---・・・・

だんだん元親が饒舌になってきている気がする・・・




ぎゃーぎゃー騒ぎ立てながら廊下を突き進み局長室の前に立つと徐に襖を開け放った





スパーーーーン!!!--・・・





「っはっ?!何?何事?!」



当然、近藤さんはこんな登場して見せた俺に目を白黒させて固まっている

っつかタイミング悪く土方さんも居て、隣で煙草の灰をほろりと畳に落としていた



「---元親さんっ・・・何してんだ?アンタ」
「ああん?目つきのわりぃにぃちゃんも居るのか・・・まぁ丁度いいか」
「いやいや何度も馬鹿の一つ覚えみてぇ言うようだがその呼び方やめてくんない?っつかそろそろこの一つくらい覚えてくんない?マジで」



半笑いの表情のまま言葉を吐き捨てる土方さんの前にずいずいと身を進めてどかりと腰を下ろすとやっと俺を解放してくれたからなんとなく面映くて黙ったまま隣に座るしか出来なった




「っちょ・・・・長曾我部殿・・・一体・・・?」




状況の壱から壱拾まで掴めない近藤さんが片言に疑問を投げるのも尤もで、正直俺も何をどう説明していいかわからずこの空間に漂う妙な空気に身を任せて溜息を零す




「あっとぉ・・・んとなんだ--・・・」



歯切れの悪い元親の言葉に二人ともきょとんとした顔を向けてじっと見つめていた



そりゃぁ・・・そうでさぁ・・・・

いきなり部屋に俺抱えて現れた元親みりゃぁ妙妙なもんしか感じられねぇってもんで、
どんな意図があって、これから物申すのがなんなのか黙って聞きたくもなる




「なんだっけ・・・なぁ総悟」
「いやいや・・・どんだけ無茶振り?意味わかんねぇって---アンタこそバカじゃねぇか」
「あ!そうそう・・・不躾な頼みがあんだがよぉ聞いてくれや進化過程」







話を聞け話を・・・・



ああ--そうかぁ

コレが良く土方さんが俺に言ってた事か・・・




妙に納得できた




「進化過程ってやっぱり俺の事なの?!ねぇどの辺が進化中なの?!俺!」
「まぁ近藤さん・・・今は話聞こうぜ?な?」


そう言って近藤さんを宥める土方さんは妙に落ち着いていて目の前の銀糸をじっと見つめたままそう告げる

ニカリと満面の笑みを浮かべて元親が土方さんを賞賛した


「おお流石目つきわりぃだけあるな!にぃちゃん」
「目つき悪いのとそれ何も関係なくない?!ねぇっ!物凄い傷付く言葉だって解かって言ってるのソレ?!」
「まあまぁトシ・・・話聞こうじゃないか」






正直・・・・



三人の会話を落ち着いて聞いている俺が一番まともだと思えた---・・・





「ああと・・・・俺よぉ郷里に帰るからよぉその間--・・・コイツの事よろしく頼むわ」








え----・・・・・







俺の驚嘆も然ることながら目の前の二人も正直なまでの表情で薄っすら口を開けたままだった




「多分・・・・またやんちゃしかしねぇだろが・・・ちろっと見てやってくれるか?な?頼むわ」
「っちょ---・・・」








アンタさっき・・・・連れて行くって---・・・・
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