BASARA魂【長編】『fifth S』
□『fifth S』【伊達政宗の章】
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「相手も同様の心構えで臨んでいるのだと自身を戒め給え」
「-----ah・・・sure」
ざわざわとした寒気に飲み込まれそうだった・・・・
小十郎も、坂田さんも土方さんも・・・・きっといつもそんな生と死のラインの行き来をしているんだと思えば思う程、俺はまだ覚悟が足りてないと実感する
この手を汚す行為にまだ・・・・躊躇してるのかもしれない
どんなに練習で成績が良くたって・・・実戦で生き残れなければthe endだ
dead or alive・・・・
でも---俺は昔とは違う
自分自身に頓着しているし、この場所にも、此処の人達にも強い想いを抱いている
一緒に生きたいんだ・・・・
すっと髪を弄んでいた漆黒の指先がすぃと顎を持ち上げる
そして---・・・
松永さんはいつものキスをくれた
額に、頬に、右目に・・・・・
何度も何度も優しく触れる唇はとても温かくて柔らかい・・・・・
じわじわと痛みを感じていた心を包んでくれる
・・・懸念も何も感じなくなった代わりに、俺は、視界を閉ざして恍惚にも似た表情を浮かべていた
松永さんとこうしている時間は・・・・酷く落ち着く
ちゅ--・・
「っ---」
今の・・・って
唇に感じた温もりで勝手に瞼が持ち上がった
暫く・・・ぱしぱしと瞬きしながら、呆けた感じで松永さんを見上げたら、口元が卑猥に吊りあがっている
「ああ、すまない。あまりにも無防備で、美味しそう見えたからつい----卿は可愛いな」
嘲弄にも似た卑猥な笑みの本心は俺には解らない
ふと、小十郎に再三言われ続けた言葉を思い出した
『松永には危機感を持て』
この場のこの出来事は小十郎には内緒にしようと思う
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