BASARA魂【短編】銀&BSRA
□辰馬の想い※R18
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「やっぱり地球が一番じゃのぉ」
先般の起爆装置付き天人の一件以降、星星を点々としつつやっとまたこの地に戻ってこられた事をとても嬉しく思う
カランカランと下駄が立てる音がやけに心地よくて勝手に気持ちが高揚していた
「こがな良い音はぁ船の中じゃぁなかなか聞けんからのぅ」
もじゃ頭をかきながらかぶき町を歩く辰馬の向かった先は万事屋
「今日は前回の約束の通りぃ金時に奢ってもらおかのぉ」
頭の中では勝手に予定が立っていて、当然そんなもんに巻き込まれていようなどとは、銀時は知りもしない
今回は普通にお宅訪問してるという事実だけで必要以上に大きな気分になっていた
「あはははっあはっ」
ぼんやりと笑いながら歩を進めていたら綺麗な夜空に月が浮かんでいて--・・・そこはかとなく心に思い浮かぶのは
あのドデカイ船とも戦艦とも言える甲板の上での語らい---・・・
そういえば・・・・
あの別嬪さんは元気にしとるかのぅ?
久しぶりにお目にかかりたいもんじゃのぉ
綺麗な蒼色の瞳が懐かしい---・・・・
はぁ・・・・
「名前・・・なんじゃったかのぅ」
やっぱり覚えては居なかった
徒然なるままに回顧していたらいつも破壊してばかりしている万事屋銀ちゃんの看板が飛び込んできた
「おーーここじゃここじゃぁ懐かしいィのぅ」
カンカンカンッと急いた足取りで階段を登ってインターフォンを鳴らしてみるも中から人の気配は感じられない
何度か同じ様に呼び出してみても静かなままで顎に手をそえて「ふぅん」と少し高い溜息が零れる
何処に行きゆう?金時ぃ
折角遠路はるばる逢いに来ゆうのに
なんとなく出鼻を挫かれて、これからどうする?と思って、ただただ万事屋の玄関の前で夜空を見上げていたら
「ah---・・・もじゃ頭---・・・辰馬?」
明らかに自らを指す固有名詞が寄越されて声の方向へと視線を向けていた
ちなみにこのサングラスは夜かけていてもちゃんと見える造りになってるから、こんな暗い場所でもちゃんと相手の顔は・・・・
相手の・・・
あ----・・・
その主は左目を細めて綺麗な口元から謎の言葉と発しているのだが・・・
「long time no see----・・・how are you doing?」
何しゃべっちょるか全くわからんきにぃ・・・・
さっき逢いたいと願ったら本当に逢えて嬉しくてたまらない---・・・・
「おぉ---・・・隻眼の別嬪さんじゃぁ偶然通り越してコレは運命ば言うのかのぉ?」
階段を降りる時間すら惜しくてそのまま看板を乗り上げて飛び降りていた
「っちょ・・・辰馬あぶねっ」
少しだけ驚いた口調が心地よく聞こえる中、別嬪さんの真ん前に華麗に着地----・・・・
する予定だった
グキッツ-----・・・・
「痛ぁ---あれぇ・・・着地失敗じゃのぉあははは!あははっ!」
「いやいや・・・言わんこっちゃねぇ」
「コレくらいなんちゅぅことなかぁ・・・あ、痛たぁああああ」
あらぬ方向に足を捻った様で想像以上に--・・・いや・・思いの外かなり痛い・・・・
「うーーー・・・・」
思わず足を抱えて座り込んでしまう程の痛みに、半泣きとっこして本泣きしそうじゃ
「ha・・・辰馬お前は陸でもその呻きかよ・・・・ほら・・見せてみな」
「え---・・・」
すぃと差し出された指が足を這うのは明らかに触診する為なんだと解っていてもなんか妙にドキドキして堪らない
目の前には切れ長の瞳と長い睫があって・・・驚くほど綺麗な肌が妙に白くみえる--・・・
首元から覗く頸脈と鎖骨の浮き加減がこんなにいやらしく感じるのは何故?
「ha・・・マジ捻ったんだな---痛てぇだろ?コレ」
何か喋ってるのは理解できゆうが・・・意味が全く解らん・・・
っつかもう目の前の苛烈な映像に耳が可笑しくなって目は釘付けじゃぁ--・・・
今の今まで経験した色香とも全く違うコレに溺れそうじゃのぉ・・・・
「歩ける----訳ねぇか・・・shitっ・・・しゃーねぇな」
冗談抜きにして・・・まっこと惚れそうじゃきぃ---・・・・
「っよっと・・・ほら肩貸してやるからこっちの足浮かせろって」
偶然にも程があるのはこの事じゃきぃ---・・・・
たまたま向かった万事屋に金時がおらんかったからこうして隻眼の別嬪さんに逢えた
あれ?
やっぱり名前が出てこんのぅ
「hey辰馬聞こえてるのか?」
「へっっ!あ?」