BASARA魂【短編】銀&BSRA

□漢の性欲※R18
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この場所から俯瞰する風景に大分違和感を感じなくなってきた

時間の流れが緩やかでもあり急いている感じもするかぶき町は第二の故郷にも思えてくるから不思議なもんで

こんな時間をいつまで過ごせるのだろうかと・・・・ぼんやりでバルコニーで考えていたら



「政宗様」



昔から変わる事のない落ち着く声色が寄越される


バルコニーの淵に背を預けて振り返ると小十郎が穏やかな表情でこちらへと歩み寄ってきた



静かに頬に手を添えられて言葉もなく、ちゅっと口づけをくれる


「ah---?」
「これから奥州に行って参ります」
「what?!な、なんかあったのか?」



流石にこのタイミングで告げられた言葉にざわざわとした感じを抱かずにはいられなかった


な--なんだよ・・・・奥州でなんか・・・・あったのか?



揺らぐ瞳を察してか小十郎が包み込むように笑う



「いいえ・・・・別に凶事も妙事も起きておりませぬ故、安心なさってください---・・・」
「はぁ・・・そ、か」




胸を撫で下ろすと言うのは正しくそのままで・・・深い吐息を零す俺は自然と胸に手を添えていた


wait---・・・待てよ?
だったら・・・・



「じゃ・・・なんでお前は帰るんだ?」




何事もない平穏ならばそんな必要もねぇじゃねぇかよ




今、流行の帰る帰る詐欺かよ?





きょとりとした表情を素直に浮かべて穏やかな笑みを称える小十郎を見つめていた

刹那、目を細めてすぃと頬に手を添えられるとまたキスをくれる



「まぁ何事も無いとは言え---空けたままと言うのも些か不安ですから・・・少しだけ様子を見に----・・・帰り直ぐに戻って参りますよ」
「ah--なるほどな」



そりゃそうか・・・・

一応筆頭の俺がこんなにも不在で腹心の小十郎も不在・・・

何もねぇかもしれねぇが細々した繁雑なもんはあるかもしれねぇ



かと言ってアイツ等がそんな事で俺に連絡寄越す連中じゃねぇってのも承知・・・って事か


それを解かっているが故に様子見・・・・な





マジ良く出来た漢だよ・・・小十郎





簡単に意図を読み取った俺の目を覗き込むように見つめてくると静かに視線を絡めてきた



「政宗様もいらっしゃいますか?」




ん---・・・・

正直一緒に帰ろうかとも思ったが俺が行ったら行ったでそれに巻き込まれるのは回避不可だろ

もともとは俺がやるべきもんだからな


俺をそんな政務から離したくて此処に連れ出した小十郎の事を考えると

離れたくねぇなんて個人の意見を突き通すなんて出来そうになかった




こいつは俺をそんな繁雑なもんから遠ざけ様としてるからこそ此処に連れて来たんだ----・・・・

そう思うと自然と口元が緩んで小十郎の腰に手を廻して目を閉じて笑ってた


「ha--留守番してる・・・・この場所が留守を預かる場所ってのもおかしな話だがなぁ

お前は俺にまだ責務負わせたくねぇんだろ?だからお前一人で行くって言ったんだろ?」


その言葉を聞き入るなりニコリと笑ってぎゅぅっと抱き締めてくる




「---・・・・直ぐに戻ります故」
「ok---」




小十郎のぬくもりが本当に気持ちいいと思う---・・・

多分代わりなんざぁ存在しねぇしいつでも溺れてぇと心底思える




「まぁ---正直・・・たまにお前とドライブっつぅのもいいかとも思うんだがな?」



左目に意地の悪い光を浮ばせて見つめてやるとそれに返笑しながら髪を梳いてくれた




「ええ---では戻ったら出かけましょうか・・・政宗様」
「right・・・・楽しみにしてる」
「はい---・・・」






そう言って・・・・「丙夜更けには・・・戻りますから」と笑って扉を出て行こうとしたらピタリと動きが止まった
「?どした?」




ぐるりと向き直るなり双肩をがしと掴み込まれてじっと真摯な眼差しを注がれる

地の底から聞こえるんじゃねぇかってくらい低い声に身体がヒクリとなって萎縮するのが感じられた


「くれぐれも----・・・もじゃ頭には近付かぬ様に!切に!」
「----what?」




意味、わかんねぇ・・・・


もじゃ頭って---・・・誰?







どうやら・・・何かに影響を受けているらしい
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