BASARA魂【長編】銀&BSR 泡沫の夢@

□土方拘束
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下手を打ったと言う認識と後悔はあるんだ・・・・


見事に敵の策に嵌っちまって、そんな不徳が招いた現状は、テメェ以外の誰も責められたもんじゃねぇ











今は、そんな事憂いている場合でもねぇ

自身への仕置きならば、後々存分にするつもりだ

どうにかして此処から抜け出さなければならない






どうやって?

「はぁ----っくっそ・・・」






【土方拘束】

チャリ・・・

無情な金属音は俺の手枷がもたらしたもので、それは自由を奪われている事以外の何物でもない


真っ暗で光も差し込まない地下室・・・・っとかそんな場所じゃねぇからこそ、今の自分が違和感でしかない



普通の部屋だ・・・

ヒルテンホテルよりも質素ではあるが----ベッドがあって、応接セットみてぇなもんもあって、テレビもあって・・・・

腰の刀はねぇが、携帯もそのままだし、煙草だって吸おうと思えば吸える状況




ただ、手枷が邪魔だ




これは監禁と言うのだろうか?

それとも軟禁と言うのだろうか?



寒くも暑くもないこの部屋はきっちりとエアコンが入っているし、存在感のある窓から外界だって拝める

今は昼時分で、本来なら早秋の装いを魅せる空を拝める筈なのに、分厚い雲に覆われていつもよりも暗く感じられた




俺は・・・・何してんだ?


こんな訳の解らない場所で空眺めてるとか・・・天寿真っ当間際のじじぃじゃねぇんだって




ただ、現状をどうにも出来ねぇテメェに苛立っている


窮屈な体勢で煙草を胸ポケットから取り出して、火を灯す・・・こんな単純作業が今の俺には至極困難で・・・・



同列にこの場からの脱出口ってもんも難路過ぎて自嘲する笑みを零していた




真選組の副長足る俺の失態・・・・




組織の下手じゃねぇ

俺個人の責任だ




ぼんやりと空に散らばる巻き雲を見つめながら深く深く----息を吐き出す

優雅にも煙草なんざぁ吸えちまう今がマジで解らない・・・・




どうせならば、こんな情けない重責を感じさせる事無く、とどめさしてくれた方がどれだけ気楽だったか・・・・



と不毛にも考えて----直ぐにやめた





どんなに恥ずべき愚直な状況に置かれても、自ら死を懇願する事は、違うからだ


棄ててもいい命だとは思っていたし、それ相応の腹も括っている



戦乱に巻き込まれ、いつ命を落としても可笑しくないと解っているが、それと死を望む事は同義ではない

ある時を境に俺は死すらも厭わない心構えを棄てた






『生きたい』






そう思わせたのは----・・・・・あのヤロウだ

命を顧みない特攻は儚くも散る桜のイメージと重なっていたが、そっくりその印象を書き換えられた


薄ら紅が舞い踊る姿は・・・あの銀糸によく似合う




儚くも弱くもない鮮鋭な眼光と----反するようなふあふあの銀糸・・・・



深い紅の瞳は絶対に淀まない・・・・、無駄のない洗練された太刀を振るう体躯は悪鬼羅刹をも切り裂く









いつの頃からか、桜は----絶対に曲がらない強い想いの象徴に塗り替えられていた



















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