BASARA魂【長編】銀&BSR 泡沫の夢@

□記憶A
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今生での経験不足と、生きる為の常識が欠落してるからと言って罪を背負う必要がないとは到底思えないんだ



ちっせぇ身体だろうが、ちっせぇ手だろうが血で染まった事実は現実


どんなに洗い流そうとしたところで消えねぇんだよ



身体に染み付いた血臭がそのまま体液になっちまって、浄化される事もなく流れ続ける



本能ってもんは根底まで掘り下げて考えたら、総じて奪う事なのかもしれない




〔記憶A〕

「なぁ銀時・・・俺はどうしたと思う?」



粛々とした空間に雨音だけが耳につく
いや、未だに雷も聞こえるな・・・



銀時を下から見上げながら何となく疑問を投げてみる


何となく、だ・・・深い意味なんてねぇ


この顛末を言葉にしている最中、一言も口を開かずに似合わねぇくらい神妙な顔つきしてるから



そんな重たく受け止めなくていい・・・


そう思った



いや、逆の立場からしてみれば、この辺りを軽く流せと言われた方が戸惑っちまうのかもしれねぇけど


ソファーの背もたれに沈んだまま、グラスを唇につけてぼんやりとした紅色の瞳が揺れる

髪を撫でる手はそのままだが、コイツの胸中に渦巻いている感情はなんだ?




問いに対する答えを探しているようには見えないが、明らかに何かを思っているのは解る

この形のいい唇が紡ぐ言葉を待っていた


相手の立場になって物事を考えられるのは想定内の事象まで


明らかに日常を逸脱した状況を目の当たりにして、当事者の気持ちになんてなれる訳がない

少なくとも俺は銀時の過去の場所に自分を置き換えて考えるなんて出来そうになかった




多分、それはコイツも同じだろうと思う




「-----・・・・・、解んないけど」


ポツリと呟いた声は驚く程、しっとりと身体に染みる


さっきまでの神妙な面持ちとは違って、半眼を中空に向ける姿につい見入っていた

淡い銀色が透けていて・・・・マジで俺とは対極だと----思いそうになった時







「-----・・・言えない」





っ・・・


「中途半端なもん言える訳ねぇじゃねぇか---・・・んな、状況下におかれた人間の行動なんて突飛なもんしかねぇってのは俺だって知ってるから・・・・・」


ゆっくりと寄越された瞳はすげぇ優しい

グラスと静かに置くとその手でうなじに指を差し入れてくる



少しだけひんやりとした指先が心地良かった

そして、コイツがくれた言葉が----嬉しかった





「俺だったら----・・・っつぅ例え話も出来ねぇって・・・・軽率な行動っばっかでテメェの欲のままに動いてた餓鬼だったけども

対、人となると何よりも難しい事だって思ってたんだからよぉ・・・・知ってるでしょ?俺の昔話---・・・」
「ああ----うねうねしてた話な」



(例えば-----俺がその立場だったら・・・・・)なんて・・・・




「いやいやいや、うじうじだから・・・何それ?髪の毛の事言いたいの?違うから、それじゃねぇから

っつかこの話した時もそんな感じで言ってたよね?
何?文句あるの?天パに」
「ソコまで言ってねぇだろ・・・」
「ふーん」




そんな気休めみたいな例え話での共感は要らない





「で----・・・」






どう考えてもこの先、俺が取った行動について理解なんて出来る訳がない







「お前はどうしたの----?」
「ああ・・・・」







物言わぬ俺が、助けを求めるお袋にした事



じっと銀時を見つめる俺は少しだけの憂慮と表現し難いもやついた過去を口にする
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