BASARA魂【長編】銀&BSR 泡沫の夢A

□48時間
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土方さん拘束からおよそ4時間が経過した



屯所の自室で元親と縺れて、乱れて過ごしたこの時間は長いのか、短いのか-----


っつか----こんな状況で盛っちまったことには些か自責を感じるが-----まぁいいでしょ




もう済んだ事だし、充足も得られた

道も見えた




屯所のでけぇ風呂でいろんなもん洗い流して、頭にタオル乗っけた状態で数人の隊士とすれ違う


「隊長---珍しいですね---屯所で風呂とか」と日常会話的なもんを告げられたから---「何処で風呂だったら通常なんでさぁ?」と聞いてみた



いや、ただ何となくであり、他意は何一つねぇ





「え---そんなの知りませんよ---隊長いっつも行方知れずじゃないですか---」
「あ?そうなの?そんな感じなの?俺」
「ええ----まぁ副長に関してもそうですけど---」
「へぇ----」





わしわしとタオルで雫を拭いながらも、そんな他愛もない会話に妙な心持がした

俺が他人からどう見られていたのかを初めて聞いたからなのかもしれない




「副長---と言えば、----なんかあったんですか?」
「は?何が?」




目の前の隊士は何番隊なのかも解からないが、現状を少しだけ存知しているらしい



怪訝な顔をしたまま、「-----さっき、自室から駆け出してゆく姿を見ました」と告げられた






ドクン!


瞬間-----存分に温まった身体に悪寒が走る



なっ-----


「しかも-----見廻組の隊服を着ているように見えたんですよ-----見間違い・・・・・ですかねぇ」



自室から出る事に関しては、俺は許可しちゃ居ない-----

無論、その辺はザキに見張らせていた




あのヤロウは土方さんだという証拠がねぇから----




見廻組からわざわざ連れ出したってのに-----勝手に居なくなられちまうとか-----冗談じゃねぇっ





そう思ったら、会話も半ばに屯所の廊下を駆け出していた





「隊長?!」----っと飛びとめる声が聞こえたが、それに目をくれる暇もないっ

肩に掛かっていたタオルはいつの間にか何処かへ消えちまったが、気に留めている場合じゃない




今----このタイミングでどっかに消えちまわれたらっ----それこそ為す術がなくなる





恐らく、土方さんだけが----この妙な現実をぶっ壊す鍵だ




アンタがテメェで変なもんに首突っ込んで、現状を作り出したんですぜ?!






廊下の突き当たりを曲がった処で----






ドン!!!!


「っぅがっ!」




思い切り何かにぶつかって----跳ね返されると思ったら意に反してそのまま、肩を掴まれていた







「っつ----あ?」

見上げた先に、この場では違和感があるが、俺にとってみれば、日常的な色見があって思わず、二度見しちまう



「----おおい、オメェさん何そんなに焦ってやがる」
「---っ・・・元親っ」



俺の心境なんざぁお構いなしの穏やかな表情と言葉



そうでした----
コイツもまだ此処に居るんだった・・・・・



俺が風呂に入ってくる間何していたのかは解かりようもねぇが----目が覚めたときにはもうこの銀糸が居なかった

多分、先に風呂に行っていたのだろうかと思ったが、まぁいいだろう






「---ぁっ・・・と、悪ぃ----今、アンタに構ってる暇はねぇんでさっ」
「っちょ-----おい」






土方さんの身柄を確保しねぇとっ----っ

と説明も何もかも端折って走り出そうとしたら、その手を思い切り掴まれた




「待てって----」
「っち-----」
「いやいや、あのな、舌打ちはねぇんじゃねぇのかっ?」
「いや、----今はそんなもんに気を使ってる場合じゃ」
「大丈夫だ」
「は?」







何が?



俺からは何一つ現状を示唆する言葉を告げちゃいない




それなのに----
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