BASARA魂【長編】『fifth S』
□【小噺H2014銀時ハピバ】
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『いや、何・・・大した意味はない。卿の瞳孔の開いた眼ならば濁ったものも見えそうだと思っただけだ、他意はないから安心し給え』
『あのな・・・それなら、他意を持っててくれた方が良い・・・・』
何、じゃれあってんだよ・・・・
たまに、さ・・・・公園とか呑み屋とか見かけるだろ?
男と女のやりとりで・・・周りが聞いたら、馬鹿じゃねぇ?って突っ込みたくなる会話も、当事者はハッピー過ぎるってやつ
俺には松永さんと土方の会話がそうにしか聞こえない・・・
『じゃぁ・・・・言って来る』
と---事務所の扉の前で土方が振り返って、俺に声を掛けたのはきっと義務的なもんで特別なもんでもないよね?
「うん」----とりあえず、ひらひらと手を振りつつ----そんな土方の顔は少しだけ赤らんで見えた・・・
なんで頬染め状態?
ときめいちゃってるの?
これが夕刻過ぎのお話・・・・
今は----深夜0時を過ぎたとこ
俺がこんなにも悶々としてる訳だから、土方が帰ってきてないのはわかるでしょ?
もしも土方が居たら、今頃、あんあんとかひーひーとかぐちゃぐちゃとかしてるし----・・・・こんなに要らない不安で胸が痛い思いとかもしてない
深閑とするこの場所は小さな音すらもなくて----ただひっそりとした暗夜があって・・・・ぼんやりと月明かりに包まれてる
時折、耳につくのは自身がごろごろした時に聞こえる布の擦れる音と、ベッドが軋む小さな音
妙な空気だけを残して二人が消えて----その後俺は自室に戻って寝たんだよね
いつもならぁ・・・・少し飲みにでも出かけようかとか思うんだけど---流石に精魂尽きててさ・・・・そんな気にはなれなかった
いや、土方が一緒なら精は尽きることなく溢れてくるんだけどね・・・・居ないからそんな元気もない
2〜3日、結構過酷な残務整理させられてて・・・(解るよな?書類整理とかそゆもんじゃねぇよ?もっと肉肉したやつな・・・・)やっとの事で、まとまりついて、この期に及んで、嫉妬したくなる映像とかキツイわ----・・・・
しかもこんな特別な日に・・・・・
「はぁ----嫌だ嫌だ・・・・・こんな時間が嫌だ」
頭まですっぽりと布団かぶっても、眼をつぶっても・・・・ため息しか出てこない・・・・
俺---今年で幾つになるんだろう?確か・・・22とか・・・・?あれ?
っつかさ、松永さんって幾つなんだろう?
最初に逢った頃から、不詳過ぎて、今に至るけど----誰一人それを知らないし、言及もしないから、マジで解らない---
数年は一緒にいるわけだから、間違いなく歳はとってる筈なんだけど、祝った記憶もなければ赤飯もケーキも作った記憶がない・・・いや作り方も解らないけど
表層的なもんは何一つ変わらないし、言動も生活パターンも変化なしだと思う・・・
98%は不敵な笑み浮かべているし、耳たぶ噛み好きだし---・・・嘯くのも大好きだし-----・・・人を落とし込むのもお茶の子さいさい
相変わらず、株板見るときの眼鏡姿はエロいし、たまに夜に合判しても、酔った姿はまず見られない
スーツ以外の格好とか、お目に掛かれたら激レアだ・・・・
それくらい隙がない-----
そんな完全な生き物の松永
さんに愛されてるのが・・・・「-----土方、か・・・」
でも・・・・あれは愛情なの?
なんか違う気がする・・・・・松永さん⇒土方 ではない感じがする----
じゃぁなに?土方⇒松永さんなわけで、やっぱ好きで付き従ってるって事?----でも、それだと・・・土方の言動は嘘だって事になる・・・・
一応---俺の事が好きだって・・・世界で一番っだって・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
ごめんなさい・・・・誇大表現しました・・・・嘘です----
でも、好きだって言ってくれた事は絶対に忘れない----あれはマジだと思う・・・・
それに・・・・・
松永さんと、は・・・・・きっとそゆ関係にはならないとは思うんだ
なんっつぅか・・・・その辺に関しては絶対的な自信がある----不思議だろ?こんなにもジェラってる癖に・・・その一線に関する部分には揺ぎ無い確固たる信頼みてぇなもんがあるんだぜ?
笑える・・・とっこして---泣けてくるわ・・・
何一つ満たされないよね・・・この確定要素
だって・・・松永さんって、エロエロな関係が確定になる前までが好きなんだと思うし----・・そのぎりぎりの線でいたぶって楽しむみたいな?曲がった性嗜好だし・・・・
だから、俺が土方にしてる事までに至らないまでも・・・・----の事はあっても可笑しくはないのかなとか思うと・・・・苦しくなる
誕生日くらい・・・・・そんな悩みから救い上げてくれてもいいのに・・・
ぁ---ぁ・・・・・嫌だ嫌だ・・・・
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