君のいる日常 T
□君のいる日常 8
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「なんでかな」
ひとりになるとつぶやいてしまう。
「やっぱりお子ちゃまだからなのかな」
あの忍足先輩と付き合うことになった時、私はちょっとばかりの覚悟をした。
だってあのモテモテでいつも女の子に囲まれてて、いろいろ経験してそうな忍足先輩と付き合うんだもの。
やっぱりきっとそうなるよね、って。
そうなるっていうのは・・・キスのその先ってことで。
ちょっと不安だったけど、先輩となら大丈夫だって思ったし。
でも、ちゃんと恋人同士になって大人のキスをするようになっても、先輩はそういうことしなかった。
「なんでだろう」
こんなこと誰にも言えないし。
ひとりで考えてるとどんどん余計なこと考えちゃって・・・
そんな時に限って余計な人が余計なことを言ってくる。
昨日もちょっぴり派手めなでもきれいな人が私の後ろでわざと聞こえるようにしゃべってた。
「へぇ〜これが侑士の今カノなんだぁ。侑士ってお子ちゃま趣味に変わった訳?」
だって。お子ちゃまだって・・・
ほっとけばいいんだけど、でもちょっとショック。
やっぱりそうなのかな。
先輩と一緒にいてもなんだか考えちゃって、たぶんおかしかったんだろうな。
先輩も私も部活がなかった金曜日。
いつもみたいに学校帰りに先輩がうちに寄って、ふたりで本を読んだりしていたら、聞かれた。
「何か話したいことあるんやろ?」