君のいる日常 T

□君のいる日常 8
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最近どうも水月が変や。
まぁ普段から変わってるんは変わってるんやけど。
そういうのとは違ってなんかおかしい。
考え込んどる。
俺にも心当たりがない訳やない。
俺と付き合うようになって、たぶんいろんな奴からいろんなことを言われてるはずや。
余計なことを言う奴がおるねん。
ほんま腹立つ。
昔な、付き合うてた子にもそれで泣かれたこともあるしな。
せやから、たぶんそんなんかな思っとった。

金曜日はふたりとも部活がないことが多いんや。
そんな日は俺が水月んちに寄って本読んだりおしゃべりしたりすることになっとる。
直接俺から聞いた方がええやろな、って思ったから聞いてみた。

「何か話したいことあるんやろ?」

「言いたいことは言わなあかんよ」

俺が重ねて言うと水月は小さい声でこう言った。

「私が子供っぽいから何もしないの?」

一瞬何を言われたのか分からんかった。

「なんで水月を抱かんのか、ってことか」

俺が敢えてはっきりと言葉にすると水月は下向いて何も言えん。

「まったく人の気も知らんと」

俺は持っていた本を床に置いて眼鏡をはずした。
そして。
座ったままで水月を抱え上げるとそのまま床に押し倒した。
俺の腕力からしたらこんなん朝飯前や。
けど水月にしてみたら、いきなり俺に組み敷かれてん。
びっくりして固まっとる。
何か言おうとして口を開きかけたんやけど、そんなんそのまま俺が口塞いだ。
俺が本気で押さえ込んどるんや。
抵抗したって無理なんやけど、水月は抵抗せん。
まったく・・・こんなに震えとるくせに・・・
俺は水月の口を塞いだまま、右手を動かした。
お気に入りなんやろな。
家にいる時によく着とるパーカの裾から手を入れた。
そっと、水月の華奢な身体にそっと手を乗せた。
水月はびくっと身体を硬くした。
俺は手を動かさんとじっとしとった。
そして。
水月の脇腹辺りに手を置いたまま、小さい子供をあやすようにとんとんとん、ってたたいた。


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