もしも鬼兵隊総督高杉晋助が万事屋で働いていたら
□第7話
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高杉は一人で散歩をしていた。本当は銀時とデートでもしたかったが、彼女が昼寝をしていたため、それを諦めた。
(……そういえばアイツ、ちゃんと買い物できたのか?)
帰り際ふと、トイレットペーパーを買いに行った神楽の事を思い出した。
(アイツの事だから、何かしら失敗しそうだな…。やはり俺が行くべきだったか…?って、今さら考えても仕方ねぇか)
万事屋の玄関を開けると、何やら居間が騒がしかった。
「おい、何騒いで……」
バグンッ
「「「あ」」」
襖を開けた瞬間、高杉の視界が暗くなった。
場所を公園に移し、神楽は先ほど高杉の頭を噛んだ巨大な白い犬、定春とはしゃぎ回っている。
定春によって満身創痍の他の三人はその様子をベンチに座って眺めていた。
「……で?あれはなんなんだ?」
未だに状況が飲み込めない高杉が新八に聞く。
「あの犬、万事屋の前に捨てられてたんですよ。しかも手紙でに『ウチのペットもらってください。』って書いてあったんです」
「万事屋はボランティアじゃねーんだ。あんなバカでかい犬飼える訳ねぇだろう」
「でもさァ晋助、もうあんなにアイツになついちゃってるんだぜ?」
「なついてねーよ。襲われてるけどアイツがものともしてないだけだ」
襲いかかってくる定春を片手で止める神楽。
「なるほどそーなのか」
遊び疲れた神楽がベンチに座った。
「楽しそーだなオイ」
「ウン、私動物好きヨ。女の子はみんなカワイイもの好きヨ。そこに理由イラナイ」
「…アレカワイイか?」
「カワイイヨ!こんなに動物になつかれたの初めて」
定春に突進され吹っ飛んだ神楽。
「神楽ちゃん、いい加減気づいたら?」
「私昔ペット飼ってたことアル。定春一号。ごっさ可愛かった定春一号。私もごっさ可愛がったネ。
定春一号外で飼ってたんだけど、ある日私どーしても一緒に寝たくて、親に内緒で抱いて眠ったネ。そしたら思いの外寝苦しくて、悪夢見たヨ。
散々うなされて起きたら定春…カッチコッチになってたアル」
――泣けばいいのか笑えばいいのかわかんないんだけど…――
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