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□リラックス
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ここはゲルドの谷に近い場所。
ごつごつした岩ばかりのハイラルの隅。
陽も暮れてきたので、あたし達は大きな岩の影で休むことにした。
リンクとダークが交代で見張りをしてくれる事に。
…あたしの申し出は丁重にお断りされたから。


ふと目を覚ますと、前半見張りをしていたリンクがダークを起こすところだった。
ぼんやりとした頭でそれを眺めている。
体を揺さぶられ、起き上がったダークにリンクは笑って言った。
「交代で見張りが出来るって、意外といいかも。」
「…少しは休めるからな。」
ダークは立ち上がり、大きく伸びをする。
帽子を脱ぎ、横になったリンクは何だか嬉しそうだ。
「頼りにしてるよ。おやすみ。」
「…何だよ、気持ちわりぃ。」
するとリンクの帽子の中からナビィが顔だけ出した。
『疲れてるんだヨ。エポナに乗るのも大変なんだから。』
「……そうですか。」
ダークがため息交じりにそう答えると、リンクは既に寝息を立てていた。
それを見てナビィも帽子の中へ引っ込む。
そして焚火の炎が弾ける音だけになった。
あたしはそうっと起き上がる。
「うるさかったか?」
ダークはこちらを振り返る事なく声を掛けてきた。
「ううん、…すぐに目が覚めちゃうんだよね。」
寝るのを諦めて、あたしはダークの隣に座った。
「横になってろよ。」
「体が痛いもん。」
ほとんど草が生えてない地面はむき出しの岩が当たって痛い。
ダークは小さく笑い声を漏らす。
「それは仕方無いな。」
そう言って空を仰ぐ。
あたしは辺りを見渡した。
「…静かだね。…こんなに静かだと眠くならないの?」
一人で見張りなんて、眠気との戦いなんじゃ…。
「…考え事とか、してるからな。」
「考え事?」
「まあ、色々。」
言わないって事は話したくないんだよね。
「考え過ぎて、思い詰めないようにね。」
「そうだな…。」
ダークはこちらを見ようとしない。
「今も、考え事…してるの?」
あたしの言葉にダークは目を閉じた。
「…してた。でも止める。」
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