trouble

□trouble 2
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晶妃の写真をゲルドの砦へ持ち帰ったダークは、それ以来ツインローバに命じられるままに異世界へ向かった。
その度に珍しい物を持ち帰る。
とにかく異世界へ行ったという証拠があれば良かった。
異世界で、ガノンドロフが求めている女を探している、その努力をしていると認めてもらえればそれでいい。







近頃物忘れが激しいとミツルはぼやく。
物忘れというか…、いつも置いてある場所に、置いてあるべきモノが無い。
キッチンで菜箸を探しながら、それを諦めて割り箸を袋から取り出す。
昨日はハサミが無くなっていた。
電話の横に置いてあるメモ帳が消えている。
…もしかして、泥棒?それにしては盗まれたモノがショボすぎる。





ガノンドロフはトライフォースの手掛かりを探し、
ゼルダは毎晩の悪夢に頭を悩ませ、
リンクの影が持ち帰る異世界のアイテムをコレクションしているツインローバ。

そうして数日が経ったある日。

ミツルは自分の部屋で遂に泥棒と鉢合わせた。

やっぱり空き巣に入られてたのか、という思いと、それが子供である事の驚きに声が出なかった。
全身黒ずくめの…まだ小学生ぐらいだろうか、少年がミツルの部屋の隅…テレビの側でうずくまっていた。
何とか声を絞り出す。
「…だ、誰だ…?」
ミツルの声に少年は素早く振り返った。
その顔、服装を見てミツルは息を飲む。

まさか。

いや、普通におかしいだろ、有り得ない。
でも…これはどう見たって…。
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