介入リリカルなのは

□11話 守る
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日がまだ昇ったばかりの決戦の地、海鳴臨海公園

そこに対峙する4つの影

そのうち二つは白い魔法少女、高町なのは
黒い魔法少女、フェイト・テスタロッサ

そして残る二つは――


「やっぱり戦う羽目になるんだなぁ」

バリアジャケットすら着ていない、まるで一般人のような風体の神崎要と――


「この期に及んで話し合いなんてしけた終わり方があるかよ」

深い青地のバリアジャケットを纏った鬼ヶ峰速人。


なのはとフェイトは飛行魔法を用いて海上で空戦を繰り広げている。

要たちは未だ対峙したままお互いに大きな動きは見せない。

「そっちも大変そうだな、いろいろと」

「ああ、どうも頭やおべっかを使うのが苦手だからなぁ。雇い主から嫌われてるらしい」

バリアジャケットから覗く速人の肌にはところどころ包帯が見え隠れしていた。


「ここで俺達が戦うのは無意味だと思わないか?」

「いや、まったく」

チッ即答かよ、要は青いカードを二枚取り出して構える。
カードは二丁の拳銃に変化した。

「お互いに守るものがあって、それのために他を潰すのは普通だろ?」

「……お前の口から『守る』なんて言葉が出るなんてな。どうした、キャラ変更か?」

要は二丁の拳銃を弄びながら嘲笑うように言う。


「ああ、そんなとこだな。でもな」

速人は腰を落とす。
速人の吊り上がった目がより鋭くなる。


「まだ『守る』てのに慣れてねぇんだ。だから……」

腰を低く落とす。



「加減ってのがよく分からねぇ。死にたくなけりゃ本気でこい」

空気がピンと張りつめる。


「改めて名乗ろう。鬼ヶ峰グループ『勇武の隼』……鬼ヶ峰速人!死にたくなけりゃ頭を下げろ!」


速人が勢いよく飛び掛かる。
要と速人の最後の戦いが始まった――


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