介入リリカルなのは

□12話 終焉
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 屋敷内はジュエルシード発動の影響か、ところどころ床が崩れていた。

 ゆかの下には白や黒がマーブル状に混ざった空間が広がっている。


 「その穴、黒い空間がある場所は気を付けて!」

 「え?」

 「虚数空間。ありとあらゆる魔法が一切発動しなくなる空間なんだ!」

 その空間では飛行魔法も発動しない。
 つまり落ちたら最期、二度と上がってこれない。

 要たちは足下に気を付けながら屋敷内を進んでいった。



 そして辿り着いた大きな部屋。そこには入口以上に多くの傀儡兵がいた。


 「ここから二手に分かれる。君達は最上階にある駆動炉の封印を!」

 「クロノ君は?」

 「プレシアのもとに行く。それが僕の仕事だからね。今道を作るから、そしたら……!」

 クロノがS2Uを構える。集束する魔力から、先ほど以上の魔法が放たれるのが分かる。

 「Blaze Cannon」

 一撃必殺の砲撃で傀儡兵をなぎ倒す。
 砕かれた傀儡兵のうえを通り抜け、なのは達はそのスキに上に向かう階段を上る。

 階段を昇りきり、再び狭い通路に差し掛かったとき、要が反転した。



 「さて、お兄さんは残業といきますか」

 「要くん!?」


 なのはが足を止め、振り向いた。


 「このまま進んだら前の敵と挟み撃ちにされるだろ?ここで一人残らないと」

 「でも……!」

 「大丈夫だって。要お兄ちゃんはしぶとさだけが取り柄なんだから」


 要は不敵にニヤリと笑う。
 クロノを避け、なのは達を追ってきた傀儡兵が通路の先に見えた。直に後ろから追いつくだろう。


 「約束だよ。また後でね」

 なのはが要に背を向ける。

 「ああ」

 「約束破ったらケーキ、ご馳走してね」

 「覚えておくよ。じゃあ代わりに、約束守ったらお帰りのキスしてくれ」

 「じゃあね!」

 「あれ!?ちょ、無視!?」

 なのはとユーノは駆動炉の封印に向かう。要が振り返った時には、すでに通路をぬけてさらにその奥へと進んでいた。


 「あらら、なのはちゃんフラグ折れちゃったかぁ……。どこで選択肢ミスったんだろ」

 敢えて言うなら全てである。

 「俺ってフラグブレイカー?」

 そもそもフラグなんか立っていない事に気付いていない。
 要は一つため息を吐いた。
 目の前には無数の傀儡兵。


 「まぁいいや。だったら……」

 要はカードを取り出す。



 「この死亡フラグもへし折ってやんよ!」


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