リク・短編小説
□チートVSスペランカー
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皆さんお久し振りです、神崎要17才です。
「……けてくれ……!」
あれあれ〜、声が小さいぞ〜。
もう一回!
神崎要17才です
「助けてくれ、神崎くん!」
「……はいはい、聞こえてますよ……」
現実逃避をやめて意識をリアルの世界に戻す。
目の前には俺に泣き付くオッサン。
おい、店長!チェンジを要求する!
「正門、突破されました!」
「5番隊全滅!門前部隊は崩壊しました!」
「6番隊との連絡も途絶えました!おそらくやられたものかと……」
「ひぃいいい!?」
オッサンがさらに強くしがみついてくる。
だからチェンジだって、チェンジ。
とりあえず皆さんに現状の説明をしておこう。
皆さんご存知だと思うが俺、神崎要は鬼ヶ峰グループに所属している傭兵だ。
そして今回来た仕事は簡単にいえばミッドチルダの政治家のボディーガードみたいなものだった。
ただ今回の仕事は始めから気分が乗らなかった。
なぜなら俺の雇い主は、汚職万歳のいわゆる悪徳政治家だった。
さすがの俺も気分が乗らない。
まぁ金払いはいいし、何もないまま早く期限すぎないかなぁ、なんて思ってたわけなのだが……
『こちらは管理局である。スレイ議員、あなたに複数の汚職容疑がかけられている。すみやかに屋敷からでてきてください』
そうは問屋が卸さなかった。
汚職がバレ、屋敷前では管理局員が包囲網を築いている。
そして、そこで抵抗するのが悪徳政治家。
「ふははは、こんな時に備えて屋敷の守りは完璧だ!逮捕できるものなら逮捕してみろ!」
と、鉄板の三流台詞。
いつも思うんだがこういう台詞吐く奴はホントにそれが死亡フラグって気付かないのかな?
確かに守りの布陣、システム、トラップは完璧だった。
まさにネズミ一匹入る隙間もない。
しかしそれは相手が『ネズミ』だった時の話である。
相手が『ゾウ』だったら?
スガァアアアン!
青色の閃光が館の屋根を吹き飛ばした。
「今のは勧告です。すみやかに屋敷からでてきてください。さもなくば突入します」
「勧告にしてはやりすぎだよね(^-^;」
管理局側からそんな声が聞こえる。
いや、やりすぎってレベルじゃねぇよ。
スレイ議員(以下オッサンとする)が真っ青になる。
しかし、その疑惑はクロなわけだから投降するわけにもいかない。
そうこうしているうちに管理局員が突入して現在にいたるわけだ。