Short Dream2

□さん。
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『白蘭様、』

「ん?なーに?」

『あの…もうすぐ会議の時間です…』

「あーあーそんな単語ききたくないなー」

『私が入江さんに怒られるんです、早く立ち上がって下さい!』

「ケチだなぁ、いつまで経っても。」


溜め息をつきながらソファから起き上がる白蘭様。

この人、大抵食事の後は寝転がってグダグダしているけど……大丈夫なのかしら、健康的な意味で。

というか本当にボス?
ミルフィオーレのトップ??

入江さんや幻騎士さんがきちんと従っている意味がよく分からない…。



「何なに?僕の魅力について考えてるの?」

『あの、そうやって心読むのやめてもらえますか。』

「部下の心は僕のモノ♪」

『そんな理不尽初めて聞きましたけど!?』


はっ……もしかしたら、入江さんや幻騎士さんの心をコントロールしているのかも…!?
“僕のモノ”って、そーゆー意味!?



「本当に面白いねー、君って。」

『…それ、褒めて下さってるんですか…?』

「うん、僕、面白いの大好きだからさ♪」

『お褒めにあずかり光栄です。』

「その返事堅いよー、もっとラフなのがいいなぁ。」

『お言葉ですが、部下としての礼儀です。』

「そんな堅くならなくていーのになー。君と僕の仲だし?」


机の上にあるマシュマロをふにっと指で弄びながら「ねっ♪」と言う白蘭様。

私と白蘭様の仲が主従関係にあるから言葉遣いに気をつけてるのに…

もうこの人、よく分からない……。


ふと、通信が入って無線から入江さんの声。


-「あと2分だけど…白蘭サンはまだかい!?まさかまだ部屋を出てないってことは…」


ぎゃー!!

つ、ついに私の失態になってしまったー!!


『も、申し訳ございません…!そのまさかでございます……た、ただいまそちらに…!』

-「頼むから早くしてくれ……ブラックスペルの連中が何言い出すか…」

『畏まりましたっ!!』

「え、何なに?正チャン怒ってんの?」

『白蘭様!お願いですからお急ぎください…!ブラックスペルにも示しがつきません!』

「あ。今のもう一回言って。」

『へ…?な、何をおっしゃってるんですか!』

「ボスの命令だよ♪さっきの台詞、リピートして。」


この期に及んでそんなのんきなことを…!

本当に意味が分からない!!

えーっと、さっきの台詞って何だっけ…!?


『あ!ブラックスペルにも示しが…』

「違う違う、その前。」

『えっ…?えーと……お願いですから、お急ぎください!!』


…急かして欲しかったの??

こんな台詞ならいくらでも言いたいんだけど!

本当に急いで欲しいんですから!!

あと30秒切ってるー!!!



「うん♪君のお願いなら仕方ないね、急ごうっと♪」

『…え?』

「あっ、僕が戻るまでこの部屋にいること。今日は一緒にディナーしようね、じゃ♪」

『ディ、ディナー!?えっ、えぇっ!!?』

「逆らっちゃダメだよ。何たって僕は73を集めて神になるんだから。」


パタン、と閉まるドア。

え、あの…全く意味が分からないのですが……

白蘭様って、神さま目指してるんですか…?


『(てゆーかディナーって……ディナーって!!?)』





つの輪が埋まるまで

君との距離は、ゆっくり縮めていこうかな




fin.

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