蒼き空への願い

□第弐拾九話
1ページ/30ページ


「如何な、これは・・・早すぎる」

漆黒に包まれた空間で、眼鏡を掛けた老人が、ゲンドウに呟く様に言った。

机の中央で、ホログラムの様に浮かび上がるモニターには、イロウルとの戦いが映し出されていた。

「使徒の本部侵入を許すとは・・・接触があれば、今までの苦労が灰塵と帰す」

「委員会への報告は誤報。使徒侵入の事実はありませんが」

「本気で言っているのかね?その様な事実は無いと」

「MAGIのレコーダーを調べて下さっても構いませんよ?」

「あんな物、信用出来るかね・・・情報の隠蔽は君の十八番ではないか」

「ご冗談を」

ゲンドウは愛想笑いを浮かべながら言う。

実際の所、ゼーレが使徒侵入が有った事を知っている事はわかっていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ