短きもう一つの世界
□一緒にいたいけどいられない
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「レイ!!」
頭を押さえもがき苦しむ巨人からエントリープラグが射出される。
その姿を見てメガネをかけた男は叫び射出されたプラグの元に走った。
男はプラグに付くと出入り口らしいハッチに手をかけた。
「ぐぅぅっ!!」
肉の焼ける音と供に男は手を離すとくぐこもった声を上げた。
そしてまたハッチに手をかけ回し始めた。
何回か回すとハッチが開き加熱されているのか蒸気を上げたオレンジ色の液体が床に零れ落ちる。
「レイ!!大丈夫か」
額から血を流しぐったりとしている少女に男は声をかけた。
「・・・はい」
「そうか・・・直ぐに医療班が付く」
大丈夫だと答えた少女に安心したのか男は近づいてきている医療班の方を向いた。
「・・・・」
しかし、少女はその紅い瞳で男を怨めしそうに睨み付けるのであった。