蒼き空への願い
□第肆話
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シンジはある病室の前に立っていた。
病室の扉には[AYANAMI]とネームプレートに書かれている。
此の扉の向こう側にはシンジの護るべきヒトがいる。しかし、シンジは病室に入るのを躊躇っていた。
僕はまた綾波に会えることが嬉しい、やっと綾波に会えるのだから。
僕がこの世界に来てから何回、何十回いや数えられないくらい綾波に会おうと考えたか。
でも会えても君とはまだ絆を結ぶことはできない・・・だけど僕は今すぐにでも君と絆を結びたいと思っている。
そんな考えがシンジを躊躇わせていたのだ。
「(これじゃ、ダメだ!!)」
シンジは自分に一度渇を入れるとレイの居る病室に入った。
「こんにちは綾波さん」
そう言うとレイはまるでルビーのように綺麗な瞳でシンジを見た。
「・・・・・あなた、誰?」
「僕は碇シンジ・・・・・サードチルドレンだよ」
「・・・碇」
「そう、碇ゲンドウは僕の父さんだよ」
レイは悲しそうに顔を伏せた。シンジにはなぜ悲しそうに顔を伏せたのか知っていた。