蒼き空への願い
□第九話
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「シンジ、この前はスマンかった」
シンジはクラスに着くとトウジに頭を下げられた。
「?・・・どうしたの?」
シンジは何故トウジが頭を下げているのか理解できず首を傾げた。
「この前、シンジの邪魔してしもうたことや」
「そのことか、それなら気にしなくても良いよ。そんなこと思ってないし(まぁ、驚いたけどね)」
「ホンマか!?」
トウジは下げていた頭を上げシンジの顔を見た。
シンジはにっこりと笑うと頷くのであった。
「それと、サキはんにもスマンかったとくれへんか?」
「ん、なんで?」
「ワイらを助けてくれたのに怒られてしもたからや、出来れば謝りたいんやけれど家分からへんし」
トウジはすまなそうにシンジに言った。
「それなら今日サキの家に行くから一緒に来る?」
「ええんか!恩に着る」
トウジはシンジの手を掴むとまた頭を下げるのであった。
「それでケンスケは?」
シンジはトウジと何時も居るはずのケンスケがいないことに気付きトウジに訊いた。
「あいつはまだショックから立ち直ってへんのや」
「ショックって!何かあったの?」
「カメラ没収されたことや、そのカメラには大事なデータっていうもんが入ってたらしいんや」
「だ、大事なデータね(なんなんだろう?)」
シンジは苦笑しながら言うのであった。
余談であるが大事なデータとは女子の写真である。(盗撮に近いものも含む)