スザゼロルルorゼロルル小説

□甘えんぼ
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ゼロとルルが双子設定です。スザクと双子で仲良し三人組です。それでも大丈夫な方だけ先にお進みください。




 「ルルーシュ、もうすぐ母の日だな」
 「母の日って何だ?」
 母の日と言う単語を聞かされて、ゼロの双子の弟であるルルーシュは、ことんと首を傾げた。
 幼いながらも色々と大人びてているゼロと違って、ルルーシュはまだまだとても幼い。
 まだ7歳と言う年齢のためもあるが、ゼロがルルーシュを真綿に包むようにとても大切にし、慈しんでいるため、ルルーシュは俗世間に関することや何やらに疎いのだ。
 ゼロも流石に母の日まで知らないルルーシュには、心の中で驚いてしまったが。
 けれど、そんなことはすぐに脳内からすっぱり消えて、首を傾げる愛らしい幼い弟にすぐさま思考が向けられる。
 そうして、ルルーシュをたまらずぎゅうっと抱き締めた。
 同じ顔と体なのに何て愛らしいんだろう!
 瞳の色以外(ルルーシュは両目共に紫水晶のような瞳だが、ゼロは片目だけルビーのような赤い瞳のオッドアイだ)は、どこを取っても頭のてっぺんから爪先、はたまたDNAまでそっくりそのままだが、ルルーシュとゼロは雰囲気が違うのだ。
 ルルーシュは勉強は出来るし、馬鹿と言うわけではないが、それはもうゼロの庇護下にいて大切にされているため、そのぶん本当に疎いところが多い。
 だから、そのため少しぽやんとしたところもあるのだ。
 そこがゼロにはまたたまらず可愛くてしょうがなかった。
 「母の日って言うのは、いつも私達を大切にしてくれる母さんにありがとうって感謝をする日なんだ。もうすぐその日が近いから、私達で感謝の気持ちを伝えよう」
 ゼロがルルーシュの頭を撫でながらそう言うと、ルルーシュも瞳を輝かせながら頷く。
 「僕たちでありがとうって伝えたら、きっと母さんも喜んでくれるね」
 「ああ、もちろん」
 その時、がたんと部屋の窓が開かれる。
 開けられた窓は、お向かいの家の窓と面しているところ。
 きっと、隣人が窓を使って入ってきたに違いない。
 隣人は、窓が面していることを良いことに、ほぼ毎日やってくるのだ。
 「スザク!」
 ルルーシュは窓に目をやると、さきほどよりも瞳を輝かせて、窓へと駆け寄る。
 ルルーシュが向かった先には、隣人であり産まれた時から一緒の枢木スザクが立っていた。
 それに、ゼロはすっかり呆れきった様子で、大きく溜め息をつく。
 窓から入るなと、何度注意してもスザクが入ってくるからだ。
 「スザク!」
 「ルル」
 ルルーシュは、駆け寄ったスザクにそのままの勢いのまま、彼に抱きつく。
 ゼロだったら簡単に後ろに押されて尻餅をついてしまいそうだが、スザクは易々と受け止めて抱き返しているのだから、ゼロにはそれが少し憎たらしかった。
 出来るなら自分だって可愛いルルーシュをちゃんと受け止めてあげたい。
 「こら、また窓から入ったな。危ないから窓から止めろって何度も言っているだろう」
 「まあ、気にするなって」
 スザクは反省した様子もなく、ルルーシュを抱き締めたまま、微笑むだけだ。
 ゼロがどんなに心配していても、まったく気にしない。
 ゼロも素直に伝えられないが、ルルーシュがスザクを想うのと同じくらいにスザクを想っているのに。
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