ぶっく

□鎖。
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「玖恩…」

優しい声に目を覚ませば視界一杯に広がる愛しい白石。
私を見つめる瞳は意志が強くでも酷く優しげだった。
ただそれに気付いただけで泣いてしまいそうになる。

「し、らいし…白石…」

声を掠れさせながらも愛しい人の名前を呼べば分からないけれど涙が止まらない。
強く抱きつきながら嗚咽を微かに漏らした。

泣きたくないのに
白石を困らせたくないのに…
どうして?

いくら考えても分からない。

白石
「玖恩?なんで泣いてるん?」

「分かんない…だけど悲しいの…。ねぇ、私から離れないでね?」

彼を縛り付けてしまう言葉。
なんて私は酷い女なのだろう…。

そんな私に白石はいやな顔一つせずに言った。

「当たり前やん。何言うとんねん?」

あぁ…なんて優しく酷い人なの。
こんな私…捨ててしまえばいいのに…。

私は…白石を約束という名の鎖で縛り付ける。
きっと永遠にーー…。


         end


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上達しないことに涙!
 

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