〜scramble〜

□〜scramble〜
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「……は?」



王子は痺れる手を見つめた



闇猫も驚いているのか、本を見つめている




「だから…駄目って…」



零翔は慌てふためきながらも王子に告げる


零翔は逃げ出したい衝動に駆られた…しかし、体が動かなかった


何故なら、分かったからだ



王子が……また、キレたことが



「…お前……その本に何しやがったんだしッ!!!!」



「っ…ぼ、くは…なにもっ…」



「何もなわけねぇーだろ!!なんでお前に触れて悪魔も触れて…神の使いである俺らは触れないんだよ!?」




王子はまた神の書に手を伸ばした


が、また電流が走った



闇猫はその様子を…いや、神の書をずっと見つめているだけだ



王子はその事にも怒りを覚える



「何ボーッとしてんだよ!!何とかし…」



「いい加減黙れ」




「……っ!」



ピリッ…とした冷たい空気が一瞬にして広がった



さすがの王子も口をつむんだ、苛々は募るばかりだったが今の闇猫には何も言えない



闇猫は


キレている




「……結界なんぞ張りやがって。悪魔か…今さっきか…?いや、あんな短い間に…」



ブツブツ言っていると零翔がオズオズと言葉をかけた



「……あの、僕の父さんが…悪魔になってしまったんです…僕と悪魔しか触れないようにしたって父さん言ってた」



「………チッ、面倒な事になった」



闇猫は悪態をつく



神も神の使いも天使も触れなくなっていると言うのはとても厄介だ


悪魔に渡さずに結界を破り神に返せる方法は…






零翔をガードしなければいけない





「神の使いがガードマンかよー…やだぁー…めんでぇー」



「そこかよ」



王子からツッコまれたのを無視しつつ頭を抱えた




「もうガードマンなんて堕王子で良いじゃん」



「は!?やだし!!てか堕王子言うな!!」



ガードマンなんて向いてない、と王子は頑なに拒んだ



零翔は2人のやり取りをビクビクしながら見つめていた



その時、零翔を包み込むように後ろからフワッと風がふいた



零翔はクルッと後ろを振り向くと、そこには…






「闇さん、王子、それくらいにしておきなよ」



現れたのは神の使いであろうか…金髪のセミロングの…男性?



零翔はキラキラと輝き風に靡く金髪、碧く澄んだ色の瞳の美しさに零翔は息をのんだ




まさしく天使だ、と



「王乃…。だって王子がさぁ」


「ちげぇーし!!やみやみがっ…」






「君たち五月蝿い」



ニッコリと微笑んでいるのにどこか黒く鋭い口調で言い放った




「「…………。」」




前言撤回……怖い……

天使のような、悪魔みたいな………


「……っ?…っ?」



零翔、混乱中




そんな中、王乃は零翔の事を見つめて



「ところでこの子誰?……ん?それは、神の書…」



零翔が腕で包み込んでいるため分かりにくかっただろうが、何とか分かったらしい



スッと手を伸ばし取ろうとした、が、やはり王子と同じように電流が走り…




「結界……。さっきはこの子をガードするだの嫌だの言い合ってたわけか。つまりこの子を守ってれば悪魔に渡さずに済む…」



「ワォ、話が早いね。さすが王乃。」



王乃は神の使いのまとめ役のような存在


王乃はすぐさまどうすれば良いか考えを巡らした




大勢で守って不利になることは限り無くないに近い。

神の使いの俺でも悪魔3人の相手をするのが限界…。



ふと王乃は顔を上げたと思えば、王子たちに言った




「君ら2人で天使第一部隊率いる護衛部隊を作り、この子を守る事に専念して。」




「………はぁ?」


「…………あ?」



突然の提案…いや、命令と言えようこの内容に2人は当然の如く驚声をあげた





「あの¢謌齦泊烽ニ、頑張ってやってね」





・・・・・・・・・。













「「えええぇぇぇえぇえぇぇえええええっ!!?」」




2人はグルンッと後ろを向けばコソコソと………




「あの…第一部隊か…?」



「ししっ…多分…」



「いや…ちょっと…」


「うっしっしっ…かーなーりー……」












…………無理。

BY闇猫(((王子もだし!!←←










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