〜scramble〜
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「怪良ああぁぁあっ!!」
こーどRがくるりと怪良の方を向いて叫んだ
aoiは今だと言わんばかりに口角をあげれば、こーどRの顔面に蹴りを食らわせる
「余所見してちゃ、駄目じゃないですか」
「っ………ははっ、女の子がはしたないよ?」
口内を切ったのであろう
プッと血を吐き飛ばした
「女の子をこんなに傷つけるなんて男としてなってないです。」
痛いのだろう、肩を手で押さえてフラフラになりながらも立っていると言う状態だ
このまま殺り合い続けても死ぬだけ…
「今日のところは引き返すとするよ」
こーどRが溜め息をついて、優しく微笑んだ
「…そうした方が良いですよ。こっちにはまだ無傷のみやびさんがいますし」
チラッとみやびに目を移す
するとこーどRは困ったように笑って気を失っている怪良を見つめて言った
「そんなことないけどなぁ…」
「……何がです?」
一瞬、空気が変わったような気がした
ピリッとした、鋭い空気
「無傷なのは、そのみやびって人だけじゃないよ?aoiちゃん♪」
「……はい?」
どういうことだろう
怪良は今、やられて倒れている
無傷なわけがない
怪良は…まだ特性を見せていない…
特性…?
aoiはあることに気づいた
「怪良はね…?1人じゃ戦えないんだ…」
「……っまさか!!」
特性には、雷、炎、氷、風、雨、雪………そして…
空…
aoiは叫ぶ
「みやびさん!ソイツから離れて!!」
パキンッとこーどRの氷が怪良に向かって放たれる
「へ?」
なんで、この子に氷が放たれてるの…?
みやびは驚きで体が動かなかった
………気づくのが、遅かった…っ
aoiは顔を歪めた。
怪良は突然、パチリと目を開けば飛んできた氷に触れた
その氷は方向転換しみやびに向かって速度を増して襲いかかる
「…………っ!!!?」
ドッ…とその氷がみやびの腕に貫通
「みやびさんっっっ!!!!!!」
「うああぁぁあ゛っぁっ…!!!!」
みやびの叫び声が響き渡る
むくりと起き上がった怪良はこーどRに向かって顔をしかめた
「んもー!回復したばっかなんだから力使わせないでよねー!」
「ははっ、ごめんね怪良。今から帰るから1つくらい傷負わせた方が良いかなってさ?」
「えー…?何なら殺しちゃおうよー」
不満気に怪良は悪態をついた
「駄目だよ、神の使いが…そろそろ来るんじゃないかな?」
ブワッ…―――――
「っわぁ!!」
突然、強風が吹き荒れたがすぐにおさまった
「ほーらお出まし…さっさと逃げちゃおっか」
「うぅ〜…分かった…!」
怪良は、こーどRとしぶしぶその場を離れた
黒い羽を残して…
ガサッ…ガサッ…
茂みから葉の擦れ合う音が聞こえてきた
「誰!?」
aoiはみやびを守るように前に立つ
すると現れたのは
「大丈夫?」
「………琉羅ぁー…」
みやびが泣き声でその名を呼ぶと「琉羅」と言う神の使いはすぐに駆け寄ってきた
「痛そうだね…でもおにーさんが来たからにはもう大丈夫だよーwさ、帰って手当てしようねw」
琉羅はそう言うとチラッと零翔を見た
さぞかし怖かったのだろう。ガタガタと体を震わせ、血の気を引いていた。
優しい微笑みを浮かべた琉羅は2人と零翔を連れてアジトへ戻って行った。