〜scramble〜
□〜scramble〜
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「死んでくれるんだよね」
突然言われた、特に苦しくも何とも思わない言葉
言われ慣れてるもの…。
耳鳴りが激しく頭に響いた
頭のなかで…
『死ね』
何かが…―――――
『気持ち悪い…』
流れてる…――――
『天使の、羽?こんな子、私の子じゃないっ…!!誰なの!?私の子を返してっ…!!』
もう慣れた。もう大丈夫…。
『大丈夫ですか?』
あの時…意味もわからず捨てられた私を…
『私といきません?』
この部隊に引き入れてくれた、同い年くらいの女の子…aoiと初めてあった日
微笑んでくれたaoiのお陰で…
死のうとした私を助けてくれたaoiのお陰で…
……私はここに生きている。
ちらりとaoiをみる。
私はaoiが最後に使った<香電>を知っている…。あれは…
「私は死ねない…。aoiが…aoiが、私に残してくれた最後の力を使うまでは!!死ぬわけにはいかない!!!!」
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「おやおや、困ったねぇ…。まさか神が敵にまわるとは…」
クリスタルはふぅ…とため息をつけば「やれやれ」っ言うように苦戦している天使の元へ向かった。
「ちょっと天使ちゃんたち助けてくるよ」
と、そう言い残して。
王乃はそんなクリスタルをみて、少し呆れたように笑えばスッと真剣な目に戻り神を見つめる。
「………なんだ」
蒼神弥は小さく弱々しい声で呟く
「なんだ、じゃない。わかってるんでしょう?どうし…むぐっ」
王乃は後ろから口を塞がれそれ以上言葉が出なかった。いや、出さなかったのだ…。塞いだ相手が誰だか分かったから。
フッと肩の力を抜けば口を塞いでいた手はゆっくりと離れていった。
「……いい子だ、王乃」
「だって、琉を怒らせちゃったら怖いもん」
「お前には負けるよw………ところで、神」
スッと前に出れば片膝をついて片手を胸に当てれば頭を下げる。まるでどこぞの執事の様に…
「……琉羅。お前は…お前だけは…」
琉羅は神に忠実だ。
だからこそ、琉羅は神をこちらへ戻そうと前へ出たのだ。
「お前だけは…」
≪……俺の手で一番に殺す。≫
「駄目だ!琉離れて!!」
「へ…?……ぐぁっ!?」
言葉が聞こえた瞬間…
琉羅は首を捕まれ宙に浮く
「かはっ…か、み…っ…」
「お前、忠実に見せていただけで、本当は嫌々だったんだろう?」
ぐっ…とさらに力を込める手…やばい、と…そう感じたときだった
「あんまり
調子に乗らないでよ、クズ」
ガッ…!!と後ろから頭に蹴りをいれたのは
闇猫だった。
蹴りをいれられた反動で手から琉羅の首が離れ、琉羅は王乃からキャッチされた
「ゴホッ…ゴホッ…、や、みねこ…ありがとう、王乃も…」
「大丈夫?気を付けろ、悪魔に有ること無いことを吹き込まれてる」
闇猫がそう告げると琉羅はコクリと頷き、降ろせと言っても降ろさない王乃に裏拳を使えばストッと立ち上がった
「王乃、闇猫。いくよ」
パチンッと指をならせばフワッと風が吹く…
「春夏秋冬を吹き抜ける風よ…、我が名は琉羅。この契約を元に…我に力を貸せっ!!」
スッと手を出すと、長剣が風と共に現れた。琉羅はそれを掴み、神を睨みつけた。
「そっか、琉さんは『契約型』なんだ。」
闇猫は刀を2本どこからともなく取り出しつつ言う
「そうだよ?だって琉は…」
≪元々、人間だもん≫
王乃はカチッと刀を抜けば目を閉じた