〜scramble〜
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『え!?人間を神の使いに!?』
『そうだ、その子には人間として生まれながら、ものすごい力があるそうだ』
蒼神弥はモニターを見ながら言う
王乃はそのモニターに目を向けた
そこには…
[うわー!宇宙人の琉羅だー!!]
[お前人間じゃないんだろ?きもちわりっwww]
『……ひどい、苛め…』
その頃、まだ11歳だった王乃でも胸に激しい痛みを覚えた
ちらりと琉羅を見る
まるで、感情を失ったような瞳をしていた
慣れてしまったのか、それとも疲れてしまったのか…同じ年くらいの子…。1つも怒りを示すことはなかった。
『行ってくれるな…?王乃』
『はい、行かせてください』
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あぁ、またか…もう良いだろう…。分かってる、母さんから生まれたはずなのに、おかしな身体なのは知ってる…理解してる。
琉羅はランドセルを一旦下ろし、椅子に座り込む。
『あーぁ…この力って…なんなんだろう…』
知りたい。生まれながらの力なら、きっと何かの役に立つために付いた力。これは、何に役立てれば良い…?どうしたら…
皆の力になれる?…
『知りたい…?』
突然声が聞こえた。
周りを見渡す…
誰もいない…そう思ったとき
ふわり…と白い羽が舞い落ちてきた。
『え…上?』
ぱっと上を見上げる…、
そこには、大きく羽を広げた…
『……誰?』
『……ちょ、普通だなっ!もっとこう…驚くとか出来ないの?』
『別に…俺も出るし…』
(「俺」…?)
王乃は不思議に思ったが、気にしないようにした
『あ、そっか。俺は王乃、君を迎えにきたんだ』
王乃は事情を説明する
琉羅は話が終わると、少し明るくなって「それだ…」と呟いた
≪それが俺の役目…!!≫