民警
□願い
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「七夕?」
「そうそう!アジアの方のお祭りなんだってさ!」
「で?貰ってきたのか?」
「笹貰いたくて他の雑貨買ってきました」
「無駄遣いすんじゃねぇよ…」
笹が顔を出している紙袋を抱えて帰ってきたコプチェフ。
嬉しそうに七夕の姫と王子の話をしながら、ダイニングテーブルに買ってきた物を並べていた。
よく分からないアジア雑貨が数点と、笹と、長細い紙が数枚。
「また行ってきたのか、あのアジア雑貨の店」
「うん、最近行きつけになっちゃってさー。今度ボリスも一緒に行こうよ。あそこ食事もできるし」
言いながらコプチェフは自室へ着替えに行った。
なんとかどう、とかいう店だったか。
看板はご丁寧にアジアの漢字で書かれていて読めないらしい。
変な雑貨が好きなコプチェフが喜びそうなものが沢山ありそうだ。
「なぁ、これ何だよ」
「あぁそれ短冊ってやつ」
着替えて戻ってきたコプチェフに色が違う紙を見せる。
紙には穴が開いていて、麻の紐が通してあった。
ピンク、青、紫、黄色の4枚。
「それにお願い事を書いて笹に飾るんだって。はい」
どこからともなく取り出した黒のペンを渡された。
訳も分からずそれを受け取る俺。
「何」
「お願い事書いて飾ろうよ」
「…こんなんで叶うわきゃねぇだろ」
「雰囲気じゃん!せっかくサーシャ君から貰ったんだしさー?俺は書くよー」
「…お前書くのかよ」