民警

□ある夏の日
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どこからともなくミンミンと夏の音が聞こえる。
開け放った玄関から風はいっこうに入ってこない。
たまにそよそと生ぬるい風が肌をかすめる程度だ。
目の前でボリスは煙草を咥えながらダイニングテーブルに突っ伏し、俺は椅子の上でうな垂れている。
暑い。
ひたすらに暑い。
日が落ちるまで近所の喫茶店にでも入ろうという案があがったものの。
外は室内なんて目じゃないくらいの灼熱地獄で出る気が失せた。

さっきシャワー浴びたのにもう汗だく…。

交代でシャワーを浴びても吹き出る汗。
額からこめかみを伝って汗が流れていった。
汗を拭うことすら億劫。

「ッッだぁー!クソあっちぃ!」
「ボリス…わかってるから暑いとか言わないで」


突然ボリスが体を起こして立ち上がり、
咥えていたタバコを灰皿に押しもみ消して服を、

「ちょ、ボリス?」

脱いだ。

「うわ…かわんねぇ」
「風、入ってこないからね」

肌に張り付いたシャツを脱げば、少しは暑さも軽減されると思ったんだろう。
だがあいにく無風状態のこの部屋。
いくら玄関と窓を開け放って少しでも風を入れようと思っても、無風じゃ意味がない。
ボリスは脱いだシャツで自分の体の汗を拭いていた。
だが、額からこぼれる汗がたらたらと頬を伝って首筋を通っていく。
じっとりと汗ばみ、暑さで赤みを帯びた肌が艶めかしい。

うわ…なんかエロいなぁ。

まじまじと見るボリスの体。
相変わらず締まって腹筋も割れている。
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