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□Eternal loveU
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うっそうと生い茂る木々。太くたくましく、歳月を重ねたその根の間を縫うように一頭の真白い狼が駆けていく。
イタリア北部に位置する古の森。
この地を拠点とするキラ=ユーテ族の縄張り――故郷だ。
今まさにその森に帰還してきたその白狼は、一縷の迷いもなく森の奥深くを目指す。
白狼は焦っていた。先だって届いた一通の手紙のためだ。
元老の蝋が押されたその手紙には彼女が危惧していた内容を遥かに上回る事柄が記されていた。
“――っ、・・・・・・”
彼女は早る気持ちを抑えつつ、四本の足で力強く大地を蹴り森を駆け抜けた。
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