『ANGEL and DEVIL』

□天使と悪魔の逸話
2ページ/5ページ






「悟浄」

先に口を開いたのは、悟空。

「俺の、サタンとしての命令」

その言葉に、悟浄は顔を埋めていた悟空の肩口から顔を上げて、すぐ前にある悟空の顔を見つめた。
それは、この数十年間魔界を治めてきたサタンの表情。

「すべての悪魔を、地上に下ろす。一人残らず、だ。魔界を捨てて、すべての悪魔は地上を新たな新天地とする。天界にもその意思を伝え、共に地上で生きることを伝えよ」

それが、サタンとしての最後の言葉だった。








サタンの言葉に、すべての悪魔は従った。
地上への扉が開かれ、すべての悪魔が我先にと地上へと下りていく。
天界でも魔界と同じように崩壊が進み、悪魔同様に天使たちも地上へと降り立っている。

すでに、天界は崩壊した。





(三蔵もちゃんと地上に着いたかな………)

玉座に腰掛けながら、思うことは天界の統率者。
すでに、すべての天使は地上に降り立ったとの報告を聞いている。
八戒も傍にいるから、三蔵はきっと大丈夫。

「悟空、残っていた悪魔はすべて地上に下りた。後は俺たちだけだ」
「………わかった。悟浄、ご苦労様」

そうして、玉座を後にした。



 
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ